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 薬草①【やくそう】


1種類の薬草に複数の効用



◆重い薬草と軽い薬草
 五行理論との関係や形態の類似とは別に、重さで薬草の効能分類の見当をつけるということもあります。
 重いものは下へ落ちていく、軽いものは浮いたり広がったりするという自然の教えから、頭に昇った血を下げるには重い薬草がよく、体の上の方や体表面に効かせたいなら軽い薬草がいいだろうと考えるのです。
 質量の重い薬草には、根茎や鉱物、石、貝殻の系統(漢方薬に使われる中薬には磁石、動物の化石、蛎殻なども)がありますが、こういうタイプには実際に鎮静効果の高い薬が多く見られます。逆に軽い薬草というのは、花や葉、小枝を利用するもので、体表面の治療と体の上の方の部位の治療に使われています。
 体表面の治療の代表例には、カゼの治療があります。カゼは、六淫の風邪や寒邪、熱邪が人体を襲うことで引き起こされますから、体表面が病邪と争う前線になります。
 そこで病邪をやっつけるために、花や葉など体表面に作用しやすい軽い薬草を使えば、発汗を促して治しやすくなるのです。

◆葉・茎・根・タネで違う医療効果
 重量のある根の部分と、軽い花や葉で治療効果が違うというのは、1種類の薬草にも当てはまります。形の類似性による分類とも通じますが、1種類の薬草でも葉や小枝は体表に効き、太い枝や茎、幹などは体幹に効きやすいというように、植物の部位や機能を人体に合わせ考えることがあるのです。
 シソを例にとると、食用にも使う軽い葉の部分は体表に作用するので、簡単なカゼ薬になります。ところが太い茎の部分は、体表に対する作用よりも体の内部(体幹)に対する作用が強くなります。
 茎は植物が光合成した栄養分を送る通路で、しかも植物全体の真ん中にありますから、人体でいうなら気管支、あるいは食道や胃の部分に相当します。そこで、胸を広げて呼吸を楽にしたり、胃を広げて食物の出入りをしやすくする治療にも同じシソが使われ、この部分を「シソ梗(またはシソケイ)」と呼びます。
 根については、シソでは使用しませんが、人体の根本、すなわち体の深い部分を循環するという考えから、腎や血に関係した部位に多く使われます。
 タネについては、ほとんどの薬草に共通して、便通をよくする働きがあります。タネは、実から地面に落ちて次世代につなぐものですから、「落ちる」という意味で便通へと発想がつながるのです。
「シソ子」と呼ばれるシソのタネは、痰をとって咳を止めるために用いられる薬ですが、二次的効果として便秘の薬にもなります。

【出典】 日本実業出版社(著:関口善太)
東洋医学のしくみ

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  • 【辞書・辞典名】東洋医学のしくみ事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】関口善太
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】115
  • 【発売日】2003年7月
  • 【ISBN】978-4534036179










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