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 薬草②【やくそう】


薬草の知識を食養に生かす



◆ゴーヤが沖縄で食されるワケ
 薬草の分類に、「体を温めるか冷やすか」という寒熱性の分類があります。その多くは五味(酸・苦・甘・辛・)とも関連しており、症状に応じて五味を使い分けることがあります。次はその一例です。
・辛いものは温める作用が強い
・苦いものは冷やす作用が強い
 たとえば、熱を持った実熱証には体を冷やす苦い薬草がよく、虚寒証には辛くて温性の薬草が効く、というようになるわけです。
 ただし、上の関係は「苦いものと対比して辛いものには温める作用のものが多い」ということで、辛に当たるハッカは冷やす作用がある、という例外もありますから注意してください。
 この一般的な関係の具体例としては、ゴーヤがあげられます。ゴーヤは苦みが強くて体を冷やす作用が強いために、気温の高い沖縄でよく食されるというわけです。
 このように、五味や寒熱性で薬草分類し、食品に当てはめて考えるのが「食養」です。また、薬性と薬味を合わせて「性味」といいます。

◆もう一つのゴーヤの効能
 近年、日本でも注目を集め始めている食養ですが、まだまだ内容的に乏しくて、食品を陰性(体を冷やす)と陽性(体を温める)に分ける程度にとどまっています。
 寒熱性の区別は食養の基本であるとしても、それがすべてではありません。先ほどのゴーヤにしても、最近は流通が発達したため、日本中どこでもいつでも手に入るようになりましたが、陰性か陽性かという点だけで見れば、北海道や東北の人が冬場にゴーヤをたくさん食べるのはやめなさい、ということになります。
 ゴーヤが長寿の秘訣といわれるのは、東洋医学的にほかにも理由があります。それが「降ろす」という作用です。
 この作用はクコウと呼ばれますが、ストレスによって気が逆流して(上逆という)頭に昇ったり、胸や喉がつまったという症状に効果を発揮するものです。「降ろす」作用が気の逆流を防いでくれるのです。
 このクコウの作用に着目すれば、寒い地方で体を冷やすゴーヤはだめとは単純にいえなくなります。冬の北海道や東北でも、ストレスで気が逆流している人にゴーヤは効くからです。

◆体が求める「味」を食べる
「苦みが体を冷やすデメリットについては、それを補正する作用を持つ別の食品と合わせることで解決できます。知識があれば、苦みの「降ろす」作用だけをうまく引き出すような食材選択とか調理方法が可能なのです。ですから、ただ成分が陰性か陽性かだけにこだわる食養は、あまり意味がありません。
 人の体は五味をバランスよく食べることが重要だといわれます。これには一回の食事で平均して食べること以外に、今日は苦みの強いものがいいとか、甘いものが合うなど体の要求に応じて臨機応変に変えていくことの大切さも含まれています。
 味の持つ作用は、そのときの体のバランスを維持するのに必要なものです。自分の体の要求を正確に察知して、その要求に合うものを食べるというのが、理想の食養だといえるでしょう。

【出典】 日本実業出版社(著:関口善太)
東洋医学のしくみ

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  • 【辞書・辞典名】東洋医学のしくみ事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】関口善太
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】115
  • 【発売日】2003年7月
  • 【ISBN】978-4534036179










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