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摩周湖【東京雑学研究会編】
- 北海道東部にある摩周湖は、世界でも有数の透明度の高い湖である。一九三一(昭和六)年の調査では、四一・六メートルの透明度を記録し、シベリアのバイカル湖をしのぐ、世界一の澄みきった湖とされた。
ところが、この摩周湖は、霧に覆われていることが多く、展望台に登っても、深い藍色の湖面を見渡すことは、なかなかできない。そのため、神秘的な雰囲気をかもし出しており、かつて「霧の摩周湖」という歌がヒットしたことがあるほどである。
この霧のベールは、多くの要因から生み出されたものである。
摩周湖の湖面の標高は、三五一メートル。湖の南東部に隣接している火山の摩周岳が、大量の噴出物を出した際にできたカルデラに、水がたまって湖になったと考えられている。
湖の中央部にあるカムイシュ島も、溶岩によって形成された丘である。
湖の最深部は二一二メートルと非常に深く、五〇〇~七〇〇メートルの高さのカルデラ壁が、急角度な崖となって周囲を取り囲んでいる。湖に流れ込む川も、湖から流れ出る川もなく、藻類やプランクトンが少ない貧栄養湖である。
藻類やプランクトンが少ないと、湖面はすぐに熱を発散してしまう。しかも、湖が深いため、湖面が冷たく保たれる。
そして、湖岸の一部を覆うようにそびえる、高さ八五五メートルの摩周岳からは、絶えず暖かい大気が降りてくる。この暖かい大気が、冷たい湖面によって急激に冷やされると、水蒸気となる。これが、摩周湖の霧なのである。
しかも、北海道の観光シーズンのピークである夏には、太平洋からも霧が流れ込んでくる。「せっかく北海道まで行ったのに、摩周湖は見えなかったよ。残念だなあ」と人々が語るうちに、摩周湖は霧に包まれている湖という印象を強くアピールし、ますます人を魅了するようになったのである。
§摩周湖は、なぜいつも霧がかかっているのか?
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全 」 |
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雑学大全

- 【辞書・辞典名】雑学大全[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487799473