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帝王切開【東京雑学研究会編】
- 腹部にメスをいれて子宮壁を切開し、中の赤ちゃんを取り出すことを「帝王切開」というが、なぜ「帝王」なのか、またその王というのは誰か具体的な人のことを指しているのか、あまり疑問を覚えずに使ってきた人は多そうだ。
帝王が切開した、帝王を切開する、帝王に切開された……言葉を補っていろいろなケースを想定してみてもはっきりしない。ただ、この日本語からは見当がつけにくいが、英語を見るとわかってくることがある。
「caesarean section」というのだ。そう、ジュリアス・シーザー誕生のエピソードによって生まれた言葉だったのである。
ローマの将軍シーザーは、臨月を待たずに母親のお腹を裂いて出てきたと伝わり、シェイクスピアも戯曲にそのように書いている。のちに皇帝になるほどの人物は、生まれてくるときから非凡であり、シーザーが並の人間ではなかったことを強調するための象徴的な話としたものらしい。
けれどシーザーの生まれた前一〇〇年頃、医学といえども未熟で、衛生環境だってよくなかった。腹部を裂いて赤ちゃんを取り出さねばならないような出産は、肉体に大変な負担を強いているわけで、切開された女性は、たいていなんらかの感染症にかかって死んでいったのである。
ところが、シーザーの生母は、彼の成長後も生きていたことを考えると、実際は帝王切開は行われていなかった確率が高い。
もっと納得のいく説としては、七世紀に確立された「帝王法」「妊娠満期の妊婦が死にかかっている場合は、子どもを救うために腹部を裂いて分娩させるべきである」によるとするものが有力だ。
現在でもこの精神が帝王切開を実施する基準に受け継がれており、胎児の存在が母体の生命に危険を及ぼす場合や、そのまま自然分娩を待つと胎児の生命が危ぶまれるときに、帝王切開が行われている。
§帝王切開の帝王って、どこの王様?
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全 」 |
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雑学大全

- 【辞書・辞典名】雑学大全[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487799473