見出し語 全文検索 [ランダム検索]

  • 今日のこよみ
    ・2019年(平成31年/)
    ・12月(師走/December)
    ・19日
    ・木(Thursday)
    ・二十四節気
    ┣「大雪」から12日
    ┗「冬至」まで3日
    先負
    ・十支:(かのえ)
    ・十二支:(とら)
    月齢:22
    月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
気づいた点・不具合・要望など、何でもひとことくださいませ



※返信が必要な場合は問い合わせフォームへお願いします 送信

 裁きの豆【東京雑学研究会編】


§アフリカで裁きに使われた毒豆とは?



植物の中には毒を持つものも多く、それは鳥獣や人間に食べられて種が絶滅することを防ぐ、植物の保護機能と考えられなくもない。
そんな自然の造詣を、人間は利用することを知った。未開の時代、植物から得た毒を矢じりに塗って狩猟用の毒矢を作ったのである。それはそれで、人間が生きていくために許される手段の一つと考えることもできる。
ところが、少し文明が発達すると、その毒のある植物を裁きの物差しとして使うようになった。毒のある植物を食べさせるか煎じて溶液を飲ませ、生き残れば無罪、死ねば有罪という裁きの道具にしたのである。
アフリカの地で、このように使われてきたのがカラバル豆だ。西アフリカ、ニジェール川河口、カラバル地方の植物の種子で、フジに似た灌木に実をつける。これが、現地ではエゼールという名前で呼ばれる毒豆で、古来「裁きの豆」とされていた。
カラバル豆による裁き方は、各地で行われていた試罪法の一つで、豆粒を二〇~三〇個くらいそのまま食べさせるか、煎じた液を飲ませるもの。たいていは、夫婦の間で不貞問題が起こったとき、この豆による試罪法が行われた。
実際は、毒にあたるかあたらないかの運というより、罪の意識のない場合、試薬を一気に飲むので胃が刺激されて吐くことになり、毒が回ることがなく、反対に罪の意識のある場合、後ろめたいのでこわごわ、そろそろ飲むため毒が徐々に回って死に至るということが多かったらしい。
しかし毒をもって毒を制すと言われるとおり、猛毒はその量を間違えずに使えば薬になることも多い。
このカラバル豆も、一八四〇年にこの地を訪れた宣教師・医者によってロンドンに送られ、成分検査された結果、エゼリンあるいはフィゾスチグミンという物質が猛毒ではあっても眼圧を下げる効果のあることがわかり、緑内障特効薬となった。
フィゾスチグミンの毒性は、半数致死量が〇・七五ミリグラムとされるが、嘔吐、腹痛、下痢、頭痛、発汗、顔面蒼白などの症状が出ることがわかっており、この嘔吐を引き起こす作用が、試罪法にちょうど合うものだったということも証明されている。

【出典】 東京書籍(著:東京雑学研究会)
雑学大全

JLogosエディター

JLogos編集部

JLogos編集部です。…>>続き

キュレーターページ(外部)

まとめ一覧

プロフィールを見る

プロフィールを閉じる


  • 12670390
    0
    しおり
  •      
  •      



▼お隣キーワード:砂漠  鯖を読む  サナダムシ  サド侯爵  

   


  1. 雑学大全>生物の不思議>植物    >    裁きの豆
  1. ◆「裁きの豆」の関連ワード

  2. 砂漠

  3. 鯖を読む

  4. サナダムシ

  5. サド侯爵


A D

雑学大全について
“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!!
この言葉が収録されている辞典

 雑学大全


  • 【辞書・辞典名】雑学大全[link]
  • 【出版社】東京書籍
  • 【編集委員】東京雑学研究会
  • 【書籍版の価格】2,160
  • 【収録語数】1,000
  • 【発売日】2004年8月
  • 【ISBN】978-4487799473










この書籍の関連アプリ

 アプリ


雑学大全

雑学大全

  • 定価:480
  • 「働きバチは1日6時間しか働かない」...>>続く
App store


雑学大全

雑学大全

  • 定価:480
  • 「働きバチは1日6時間しか働かない」...>>続く
Google Play

関連辞典
雑学大全 雑学大全 雑学大全 雑学大全