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 鼠小僧【ねずみこぞう】


貧しい庶民にお金をまいたというのはウソ!?



一九世紀のはじめ、文政から天保にかけての江戸の町を騒がせた盗賊、鼠小僧次郎吉の実像をめぐっては、昔から諸説ある。男だったの女だったの、実は太っていただの、実は年寄りだっただのである。ここで紹介するのは、鼠小僧が善玉の盗賊だったという話は真っ赤なウソだったというお話。時代劇や小説などから私たちが描く鼠小僧イメージは、なにせカッコいい。決して貧乏人を困らせるような盗みは働かず、人を切るような手口は使わない。あくどい稼ぎをしている悪徳商人、農民を苦しめる地主や悪代官などが盗みの標的で、金品をごっそり持ってくる。しかも、親が病気だったり、年頃の娘が身売りをしなければならないほどに困っている家があれば、小判をポンと落として、何もいわずに去っていく……。とまあ、こんな感じだが、実際の次郎吉は、建具職人、鳶職などの職を転々としたが、博打で身を持ち崩し、鳶だった身軽さを利用して、あちこちの武家屋敷に忍び込んでは盗みを繰り返していた。おもに武家屋敷を狙ったために、庶民の間で話題になったという話のようだ。次郎吉は何度も捕まるが自供をしないので刑を免れていた。ところが一八三二(天保三)年、上州(群馬)の小幡藩邸に忍び込んだときに捕まり、ついに自供した。当時は一〇両盗めば首が飛ぶといった時代だったにもかかわらず、自供しただけでも九九の屋敷に一二〇回も忍び込み、合わせて三〇〇〇両以上を盗んだというから、確かに現代まで名の残る大盗賊だったのである。だが、次郎吉が義賊だったというのはまったくのフィクション。権力者への反発や庶民への同情などもまったくなく、単なる遊び好きで、博打で金を使い果たし、親には勘当され、遊ぶ金欲しさの盗みだったという。武家屋敷を狙ったのも、外見はいかにも立派な武家屋敷だが、なかに入ってしまえば案外警備が手薄なことに目をつけての犯行だった。本人の供述でも人に金を与えた事実はなく、次郎吉に金をもらったという人もいない。講談話で義賊に祭り上げられた大盗賊は、ただの悪人だったのである。

【出典】 東京書籍(著:東京雑学研究会)
雑学大全2

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雑学大全2について
浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。
この言葉が収録されている辞典

 雑学大全2


  • 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
  • 【出版社】東京書籍
  • 【編集委員】東京雑学研究会
  • 【書籍版の価格】2,160
  • 【収録語数】1,000
  • 【発売日】2004年8月
  • 【ISBN】978-4487801305










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