見出し語 全文検索 [ランダム検索]

  • 今日のこよみ
    ・2019年(平成31年/)
    ・12月(師走/December)
    ・19日
    ・木(Thursday)
    ・二十四節気
    ┣「大雪」から12日
    ┗「冬至」まで3日
    先負
    ・十支:(かのえ)
    ・十二支:(とら)
    月齢:22
    月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
気づいた点・不具合・要望など、何でもひとことくださいませ



※返信が必要な場合は問い合わせフォームへお願いします 送信

 カップ麺


日本最大の発明の一つといわれる、インスタントラーメンとカップ麺。これらが、世界の食文化さえ変えることになった。



1958年(昭和33)、東京タワーが完成したその年にインスタントラーメンは誕生した。

それから10年余り、今度はカップ麺が誕生する。

おいしく手軽にその場で食べられるため、世界中で爆発的に普及していった。

カップ麺には、いくつもの不思議が詰まっている。

例えば、なぜ麺が揚(あ)げられているのかというと、実はそこに、最大の発明がある。

麺を揚げることで水分が飛び、保存ができるようになるのだ。

また、麺のアルファ化が促進され、「お湯をかけて3分で食べられる」ようにもなる。

アルファ化とは、人間が消化できるようにデンプンを転化することをいう。

ところで、なぜ「3分」なのだろう。

1分で食べられる麺も作れるが、当然伸びるのも早くなる。

食べている間に麺が伸びてしまうのだ。

しかし、長く待たされてはイライラする。

その頃合いが「3分」なのである。

3分には人間工学的な経験則が凝縮(ぎょうしゅく)しているのだ。

では、麺はなぜ縮れているのだろうか。

それは、麺をそのまま揚げると麺同士がくっつき、揚げ上がりにムラができるからだ。

麺を縮れさせれば、隙間(すきま)ができて均等に揚げられる。

ここで、カップ麺の容器を縦に切断してみよう。

麺の下に隙間があることがわかるはずだ。

また、上側の麺が密で、下側がそうでないことも見て取れる。

なぜだろうか。

何の工夫もせずに麺を容器に入れて3分間放置すると、中心部までお湯の熱が伝わらない。

そこで、下に隙間を作って熱湯が対流しやすくしているのだ。

こうして、熱い湯がまんべんなく行き渡ることになる。

カップ麺は具にも工夫がある。

1950年代に軍の携行食として開発された「フリーズドライ」という技術を利用している。

熱処理をしないですむため、食材の風味が生かされるのだ。

このように、カップ麺にはさまざまな技術が凝縮されている。

そして現代、揚げない「ノンフライ麺」や、縮みのない「ストレート麺」の登場など、さらなる進化を続けている。



【出典】 中経出版
雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2

JLogosエディター

JLogos編集部

JLogos編集部です。…>>続き

→外部リンク

プロフィールを閉じる


  • 8567145
    0
  •      
  •      




   

『雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2』の紹介



A D

著者
大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください!
→外部リンク
この言葉が収録されている辞典

 中経出版「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」


  • 【著者・監修】涌井良幸・涌井貞美[link]
  • 【Profile】中経出版
  • 【出版実績】
  • 【登録日】
  • 【最終更新日】










A D