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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
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カップ麺
1958年(昭和33)、東京タワーが完成したその年にインスタントラーメンは誕生した。
それから10年余り、今度はカップ麺が誕生する。
おいしく手軽にその場で食べられるため、世界中で爆発的に普及していった。
カップ麺には、いくつもの不思議が詰まっている。
例えば、なぜ麺が揚(あ)げられているのかというと、実はそこに、最大の発明がある。
麺を揚げることで水分が飛び、保存ができるようになるのだ。
また、麺のアルファ化が促進され、「お湯をかけて3分で食べられる」ようにもなる。
アルファ化とは、人間が消化できるようにデンプンを転化することをいう。
ところで、なぜ「3分」なのだろう。
1分で食べられる麺も作れるが、当然伸びるのも早くなる。
食べている間に麺が伸びてしまうのだ。
しかし、長く待たされてはイライラする。
その頃合いが「3分」なのである。
3分には人間工学的な経験則が凝縮(ぎょうしゅく)しているのだ。
では、麺はなぜ縮れているのだろうか。
それは、麺をそのまま揚げると麺同士がくっつき、揚げ上がりにムラができるからだ。
麺を縮れさせれば、隙間(すきま)ができて均等に揚げられる。
ここで、カップ麺の容器を縦に切断してみよう。
麺の下に隙間があることがわかるはずだ。
また、上側の麺が密で、下側がそうでないことも見て取れる。
なぜだろうか。
何の工夫もせずに麺を容器に入れて3分間放置すると、中心部までお湯の熱が伝わらない。
そこで、下に隙間を作って熱湯が対流しやすくしているのだ。
こうして、熱い湯がまんべんなく行き渡ることになる。
カップ麺は具にも工夫がある。
1950年代に軍の携行食として開発された「フリーズドライ」という技術を利用している。
熱処理をしないですむため、食材の風味が生かされるのだ。
このように、カップ麺にはさまざまな技術が凝縮されている。
そして現代、揚げない「ノンフライ麺」や、縮みのない「ストレート麺」の登場など、さらなる進化を続けている。
日本最大の発明の一つといわれる、インスタントラーメンとカップ麺。これらが、世界の食文化さえ変えることになった。
【出典】![]() |
中経出版
「 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2 」 |
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『雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2』の紹介
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