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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
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月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
永坂更科 布屋太兵衛【ながさかさらしな ぬのやたへい】
- 創業は今から210年余り遡る寛政元年(1789)。現在は麻布十番商店街の中心に立つ近代的なビルだが、入り口の重厚な古い看板が老舗の歴史を物語る。
初代布屋太兵衛が、江戸麻布永坂(現在の港区麻布永坂町)に「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」の看板を掲げたのが店の始まり。布屋太兵衛の祖先はもともと布を商う太物商であり、領主の保科家に招かれて江戸屋敷に住むようになった。代々そば打ちに長じていたことから、時の領主のすすめにより太兵衛が出店。故郷の信濃国更級郡の「更」と保科家の「科」を賜り、地名の「永坂」をとって屋号を付けたという。
店の看板である更科そばは、玄そばの甘皮を取り除き、芯の部分だけを使って贅沢に作る。上品でのど越しのよいそばは、江戸城や大名屋敷でも愛され、大奥御用となっていたことから「御前そば」の名が付いた。現在は、身がしまって粒の大きい北海道産のそば粉を使用。更科そばのほか、味と香りが強い生粉打ちそば、更科粉に抹茶を混ぜたお茶切りそばなどもある。
冷たいそばには、甘汁と辛汁の2種類のつゆが出される。かえしの醤油には無添加の一番絞りだけを使い、砂糖やみりんと煮て、地中に埋めた壺で約4週間かけて熟成させる。これに厚削りの鰹節でとったダシ汁を加えたつゆは、濃厚で味わい深い。更科そばにはこくのある甘汁が、生粉打ちそばにはさっぱりとした辛汁が合う。好みに合わせて混ぜるのもいい。
特上の胡麻油で揚げたエビが2本のった天ぷらそばや、関西風の特製つゆで食べる納豆ちらしと鮭ちらし、桃の節句の時期だけの五色の変わりそばなど、種ものや季節メニューも豊富。御前そばやそば寿司、天ぷらなどがセットになった「そば会席」(要予約)もある。
酒肴も揃っているから、そばを待つ間に一献傾けるのもいいだろう。人気があるのは、そばつゆを使った玉子焼やふっくらと軟らかい蛸の桜煮、ジューシーな合鴨の塩焼きなど。これら料理にも老舗の確かな技が生きている。
歴史を紡ぐ更科そばの名舗

【出典】![]() |
東京書籍(著:見田盛夫/選) 「 東京-五つ星の蕎麦 」 |
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東京-五つ星の蕎麦について | ||
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この言葉が収録されている辞典 |
東京 五つ星の蕎麦

- 【辞書・辞典名】東京 五つ星の蕎麦[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】見田盛夫/選
- 【書籍版の価格】1,836
- 【収録語数】217
- 【発売日】2006-12-01
- 【ISBN】978-4-487-80147-3