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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
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月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
サルトル【さるとる】
- ノーベル文学賞はアルフレッド・ノーベルの遺言中に言及された五つの分野のうちの一つである。この賞は「文学の分野において理念をもって創作されたもののなかで最も優れた作品を創作した」者に与えられる。現在、この文学賞受賞者が最も多い国はフランスである。一九〇一年、第一回ノーベル文学賞をシュリ・プリュドムが受賞したのをはじめ、ロマン・ロラン、アンドレ・ジッド、アルフレッド・カミュなど、誰もが一度はその作品を読んだことがあるであろう作家が名を連ねている。ところが一九六四年、フランスの哲学者ジャン=ポール・サルトルはノーベル文学賞を辞退している。理由は、彼が「自分は作家でなく哲学者である」ということにこだわったからとも、ノーベル文学賞の選考方法を批判したからともいわれているが、「ノーベル文学賞は、西側の文化を意図的に擁護し、東西対立を推し進めている」という言葉を彼が残していることからみると、後者の説が近いのかもしれない。さて、サルトルの辞退に明らかな不快感を示したといわれるのが、ノーベル文学賞の選考を担当しているスウェーデン・アカデミーだ。後の一九八五年にクロード・シモンが受賞するまで、二一年もの間フランスから受賞者が出ていないのである。しかもシモンは、サルトルらの実存小説に異を唱えたヌーヴォーロマン派の代表ともいわれている作家だった。ちなみにノーベル文学賞は現在までの歴史のなかで、もう一人だけ辞退者がいる。一九五八年受賞の旧ソ連の詩人ボリス・パステルナークだ。彼の書いた唯一の小説『ドクトル・ジバゴ』はその前年にソビエト当局から出版禁止にされており、ノーベル賞受賞時にソビエト作家連盟は彼の除名処分を決定した。祖国を愛していたパステルナークは、授賞式に出席したら二度と祖国に戻ってこられなくなるのではないかと恐れ、受賞の決定から四日後に辞退を申し入れた。
ノーベル文学賞受賞を辞退した男
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全2 」 |
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雑学大全2

- 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487801305