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 漢方薬の常識と非常識【かんぽうやくのじょうしきとひじょうしき】



◆急性の病気には対応しない?
 これまでも説明してきたように、日本における漢方薬は、ずいぶんと誤解されているケースが多々あります。「漢方薬は慢性症状に用いるもので、急性症状には効かない」というイメージもその一つでしょう。
 慢性症状しか治療できないのであれば、医学とは呼べません。漢方薬にも、感冒やぎっくり腰といった急性症状に適応するものはいくらでもあります。
 日本で慢性症状専用というイメージが強いのは、急性症状に対しては現代医学の抗生剤や手術などの有効性が高かったために、急性症状用の漢方薬が使われなくなったからにすぎません。また、漢方薬を売る側が、顧客を維持するために長期服用が当たり前というイメージ植え付けたことも理由の一つでしょう。
 当然、中国にはあらゆる急性症状に効く漢方薬があります。病気の急性期には3日~1週間で効果の出る漢方薬を服用させ、その後は症状の変化に合わせて薬の処方を変えていくという治療が、日常的に行われています。
 ただし、中国でも中医だからといって、何でも東洋医学で治療するわけではありません。「中西医結合」が盛んにいわれる中、両方の長所を生かす方針がとられています。
 たとえば、ガンなどで病巣を取り去った方がいいというようなケースでは、現代医学による手術を行い、その後のリハビリや再発の予防に東洋医学を使うことがあります。逆に、現代医学的では手遅れで手術できないというようなケースでは、東洋医学を中心に治療していくといったことも行われています。

◆自然のものだから安心していい?
 漢方薬に限らず、「自然のものだから安心」という考えは大きな間違いです。フグや毒キノコのように、自然にも毒物は存在します。
 漢方薬に用いられる薬草にも、毒性を持つものはあります。しかし、毒性を減らす加工法や薬草の組合せが長年の歴史の中で開発されてきましたので、現在ではほとんど問題ありません。
 また、食べ合わせの食品があるのと同様に、薬草にも配合すると害になる組合せがあります。
 しかしこれも、中国では中薬学の最初の段階で、「配合禁忌」として学ぶため、配合による副作用はあまり起こりません。
 ただし、漢方薬も現代医学の薬と同様、使用方法を誤ると健康を害するおそれは十分にあります。

副作用の起きる可能性は?
 漢方薬副作用を起こす原因としては、第一に現代医学的使用があげられます。漢方薬は東洋医学の診断をもとに処方されるのが本来ですから、病理観の違う現代医学の診断に当てはめようとしたときに、副作用などの不都合生じるのです。
 次に、「急性症状と根本治療での薬の切り替え」という原則を知らないために起こる副作用もあります。対症療法で劇的に効果があったことで医療関係者が「この患者にはこの処方が合う」と結論づけてしまい、症状の変化を考慮せずに同じ薬を出し続けるというケースです。
 薬局で買った薬なら症状がよくなれば飲まなくなりますが、病院で処方されたものだと、まじめに飲み続ける人もいます。医師の指示を守る人ほど副作用の害を受けやすいという皮肉な結果になるのです。

【出典】 日本実業出版社(著:関口善太)
東洋医学のしくみ

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  • 【辞書・辞典名】東洋医学のしくみ事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】関口善太
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】115
  • 【発売日】2003年7月
  • 【ISBN】978-4534036179










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