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 コニャック【東京雑学研究会編】


§ワイン不況がコニャックを生んだ



コニャックというのは、フランスコニャック地方で造られる最上級のブランデーの名である。
フランス原産地名称統制令によれば、フランス南西部のコニャック市を中心にしたシャラント県と、シャラント・マリティーム県にまたがる一定の地域内で、決められた規格で造られたブランデーに限って許される呼び名だ。
コニャック地方は、もともとワインの産地ではあったが、糖度の低いブドウだったためアルコール分が低く、酸味も強い、決して上等とはいえないワインしか造ることができないでいた。それでも、ビスケー湾(フランス西岸からスペイン北部にかけての大西洋の湾)を支配したオランダが、シャラント川をのぼってきてワイン買い付けてくれるようになったので、ブドウ畑の作付面積も大幅に増えていた。
一六三〇年、そんなコニャック地方はブドウの豊作に恵まれる。ところが、これが逆に不況をもたらしたのである。
増やした畑で収穫した豊作のブドウで大量に醸造したところ、まずいワインなので売れ残り、もてあましてしまった。そこで、すでにアルザス地方で行われていた、ワインを蒸留して別の酒にする方法を真似してみたところ、予想外のおいしいブランデーとなったのである。
それ以後、味をよくするための蒸留技術の研究が進められ、ルイ一四世、ナポレオン一世などに愛される銘酒に育っていったのである。それを誇るように、ラベルには熟成度が表示され、三ツ星で三年、VSOPで八年、ナポレオンとなると一二~二〇年、最上級のエクストラとなると、三〇年以上の熟成を経たものといわれている。

【出典】 東京書籍(著:東京雑学研究会)
雑学大全

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