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 俵屋宗達【たわらやそうたつ】



7 俵屋宗達の幻の屏風絵を発見!…作品は残っていても素性は不明の謎の絵師
 俵屋宗達は、江戸時代初期に活躍した画家で、京都に住んで、襖絵・屏風絵のみならず、扇面や色紙にも絵を描いて生計を立てていた。
 伝統的な大和絵に工夫を加えて琳派を創始したが、生存中からその名は天下に轟き、1630年には、朝廷や公家からも絵の注文を受けるほど有名になった。
 彼の描いた京都・建仁寺の『風神雷神図屏風』は、最近のコマーシャルにも取り入れられるくらいユニークユーモラスな姿をしており、絵の構図自体も大胆で、色彩も華麗であることから、国宝に指定されている。
 それゆえ、俵屋宗達の名は、必ず日本史の教科書にも紹介されている。
 しかしながらこの宗達、いまだによくその正体がわかっていないのである。
 まず、生没年がわからない。どこに生まれたかも明瞭ではない。どうやら京都出身らしいが、西陣の織元・俵屋の一族だとか、俵屋という扇屋だったとか、京の上層町衆で絵師だったとか、さまざまな説がある。
 同時代の芸術家・本阿弥光悦と姻戚関係にあり、光悦の妻と宗達の妻は姉妹だったという説もある。
 宗達の代表作は、『源氏物語澪標図屏風』(静嘉堂文庫美術館所蔵)『保元平治物語絵(扇面図)』(石橋美術館所蔵)、『芦鴨図衝立』『舞楽図』(共に醍醐寺所蔵)、『蓮池水禽図』(京都国立博物館所蔵)、『西行物語行状絵詞』(出光美術館所蔵)など数多く存在するが、製作年代がわかっているのは、『西行物語行状絵詞』たった一つであった。これは、1630年に越前府中藩(福井県武生市)の藩主・本多富正の依頼で描かれたものである。
 このように謎の多い俵屋宗達だが、その宗達の代表作の一つで、すでに火事で焼失してしまったとこれまで考えられていた『楊梅図』が、何と京都市内で1999年に発見されたのである。
 しかも『楊梅図』は、製作年代まではっきりわかる作品なのであった。
 1630年、当時の摂政・一条昭良が兄の後水尾天皇に宛てた手紙のなかに、この『楊梅図』に関する記述が出てくる。それによれば、後水尾天皇は宗達に三双の屏風絵を注文し、そのうちこの『楊梅図』の製作が、すでに金箔を置いたところまで進行していたと書かれている。
 大和文華館(奈良県奈良市)の林進氏によれば、『楊梅図』のなかの雲が高貴な紫色で表現され、なおかつ棺桶の材料に使用するコウヤマキが描かれていることから、この絵は、この年に没した、後水尾天皇と一条昭良の母に当たる中和門院を追善するために作成されたのではないかと推定されている。
『楊梅図』は、画面の左上から右下へと川が流れ、右上に並ぶ木々の上部の楊梅(やまもも)が数個赤い実をつけている絵で、縦が143センチ、横が338センチある。
 残念ながら、皇室からの注文品には落款を入れないことになっているから、作者名を落款から確かめることはできないが、先の林進氏は『楊梅図』の特徴から、これが宗達の筆であると判断したという。

【出典】 日本実業出版(著:河合敦)
日本史の雑学事典

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  • 【辞書・辞典名】日本史の雑学事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】河合敦
  • 【書籍版の価格】1,404
  • 【収録語数】136
  • 【発売日】2002年6月
  • 【ISBN】978-4534034137










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