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 陰陽調節と三因制宜【おんみょうちょうせつとさんいんせいぎ】



◆寒熱のバランスをとる陰陽調節
 治療の3つ目の原則「陰陽調節」は、体の寒熱のバランスの崩れに焦点を当てて治療を進めていくものです。
 冷えの症状を伴う「寒証」は、寒性の邪気が強過ぎるか体を温める陽気が不足しているために発症し、熱証は熱性の邪気が強過ぎるか、あるいは体を冷やす陰液が不足しているために発症します。したがって治療法としては、「扶正邪」と同じ発想になり、実証か虚証を見きわめたうえで、不足している陽気や陰液を補う補法と、強い邪気を取り除く瀉法を使い分けることになります。
 具体的には、実寒証には寒邪を取る「散寒」という瀉法、虚寒証には陽気を補う「温陽」という補法を使います。また、実熱証には熱邪を除去する瀉法の「清熱」、虚熱証には陰液を補う補法「滋陰」を使います。
 もちろん、寒熱証では実際に体を温めたり冷やしたりする必要もあるので、実寒証に散寒、虚寒証に温陽を使いながら体を温め、実熱証に清熱、虚熱証に滋陰を使いながら体を冷やします。

三因制宜の3つの要素で治療方針 
 4つ目の原則「三因制宜」は、治療の方法を選択するときに、患者の個人差や生活状況の違いを考慮に入れるということです。
 その違いが、大きく「季節」「土地」「人」の3つの要素に分類されることから三因と呼ばれ、制宜とは適切な治療をすることを表します。
①因時制宜(いんじせいぎ)
 季節の違いを中心にした「時期」を考慮することです。とくに一定の時期だけ激しい症状が出る慢性的な疾患に対しては、時期に応じて治療方法を変えます。
 たとえば、「湿度の多い時期にリウマチがひどくなる」という患者に対する漢方薬の処方を、梅雨どきと乾燥した時期で変更します。痛みのひどい梅雨どきはそれを抑える薬、症状が軽くなる乾燥期には根本的な治療を目的にした薬にする、というようなことです。
②因地制宜(いんちせいぎ)
 患者が住んでいる土地の気候風土を考慮することが中心ですが、食文化の相違や住まい、職場の環境なども含みます。
③因人制宜(いんじんせいぎ)
 男女差とか年齢、体格(太っているか痩せているか)などを考慮することです。ただし、女性に特有の病気や子供特有の病気をいうのではなく、同じ病気にかかっている場合でも、性別や年齢によって治療が違ってくるという意味です。
 子供を例にとると、寒熱証の治療は大人の場合よりも加減して行います。これは、成長過程にある子供は陰陽の成長も不十分なために、冷やし過ぎたり温め過ぎたりすると体内の気が損なわれて、逆の病気になる特性があると考えるからです。

【出典】 日本実業出版社(著:関口善太)
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  • 【辞書・辞典名】東洋医学のしくみ事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】関口善太
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】115
  • 【発売日】2003年7月
  • 【ISBN】978-4534036179










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