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 現代医学の診断【げんだいいがくのしんだん】


なぜ「病院へ行こう」と考えたのか



◆「病名」が問題なのではない
朝起きベッドから降りようとしたとたんクラッときた。ひどいめまいは一瞬で治まったが、その日は一日中ふらふらした状態が続き、それ以降何日かに一度はもやもやしためまいに悩まされている」
 こんな場合、たいていの人は医院か病院で検査してもらった方がいいと考えるでしょう。しつこい風邪程度なら市販の薬ですまそうとする人がいるかもしれませんが、めまいともなると、高血圧やさらに重大な脳の病気の可能性もあります。
 そこで、しっかりとした医師の診断を受けるために病院に行くことになります。仮に、病院での診断結果が「メニエル病」だったとしましょう。すると、次の瞬間からその人は「自分はメニエル病なのだ」と信じてしまうのではないでしょうか。もちろん、めまいの原因がメニエル病で間違いないのなら何の問題もありません。しかし、いくら治療しても「めまい」が解消しない場合、メニエル病という診断を疑うのではなく、メニエル病に効く新たな療法や薬を、ひたすら探すという人が圧倒的に多いのです。
 医師が診断を迷ったり、誤ったりすることは十分に考えられます。やっかいなのは、患者が誤診の可能性を考えずに「病名」にこだわり、早期に適切な治療を受けるチャンスを逸してしまうことです。これが、現代医学の持つ「こわさ」といっていいでしょう。

◆現代医学から受けやすい盲信
 病名に対する盲信とは別に、検査の数値が病気の治療を遅らせるという側面も現代医学にはあります。
 たとえば、胃や肝臓に不安を感じていたところ、血液と尿を検査したらすべて基準値の範囲内とわかってひと安心、という人がいます。不安を感じていたのだから、何らかの自覚症状はあったはず。にもかかわらず検査の数値だけで「自分は健康なのだ」と思ってしまう…。ひょっとしたら数値に表れるぎりぎりのところまで何かの病気が進行しているかもしれないのに、そこまで考える人は、実際には少ないでしょう。
 診断された病名にこだわり続けたり、検査の数値に一喜一憂したりするのは、現代医学に対する期待と信頼がとても大きいからです。そのこと自体は悪いことではありません。患者の医師への信頼は治療の効果を上げる大前提でもあるからです。よくないのは、盲信や万能視なのです。

◆根本から違う現代医学と東洋医学
 最近は、東洋医学を再認識しようという動きが活発になってきていますが、まだまだ正しく認識されているとはいえないのが現状です。
 東洋医学での病気のとらえ方は、現代医学とはまったく異なっています。その違いは、病気の原因を考える病理観や、人体のしくみを考える生理観といった、根本的なところから始まります。東洋医学独自の診断体系に基づいて診断を下し、それに沿った治療方法で病気にアプローチしていくのです。
 冒頭のケースをもう一度見てください。最初に病院へ行こうと思った理由は、「めまいが続く」とか「体がひどくだるい」といった不調にあったはずです。これを東洋医学で治そうとする場合、メニエル病という現代医学の診断に縛られていては、治療のスタートを誤ることにもなりかねません。東洋医学には、「メニエル病に効く薬」はないのです。東洋医学に現代医学の診断(誤診の可能性もある)を持ち込むのは、両方にとって不幸なことです。

【出典】 日本実業出版社(著:関口善太)
東洋医学のしくみ

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東洋医学のしくみについて
東洋医学の正しい知識がわかる本。「病気はなぜ起こるのか」「そしてどうやって治すのか」「病気の証とは何か」など現代医学とは違う視点・考え方で詳しく解説。
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  • 【辞書・辞典名】東洋医学のしくみ事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】関口善太
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】115
  • 【発売日】2003年7月
  • 【ISBN】978-4534036179










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