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 実際の治療方法



 治療の方法は「漢方薬の処方」か「鍼灸」ということになります。漢方薬での治療も鍼灸での治療も、ここまでで説明してきた東洋医学の診察と診断をもとに行うものなので、治療そのものはまったく違っても、基本原理は同じと考えていいでしょう。鍼灸と漢方薬は併用しても何の問題もなく、むしろ相乗効果が期待できます。この腰痛に苦しむ患者にも両方を使って治療を進めることにしました。
 ただ、漢方薬の知識と鍼灸の知識・技術の両方をマスターしている東洋医学の専門家は日本ではまだあまりいないので、現実にはどちらか一方の治療でというケースが多くなるようです。


漢方薬による治療は
(今回の腰痛に対して) 苡仁湯、苓姜朮甘湯などから選択し、これに体を温める成分として附子、細辛など、血を除く成分として桃仁、紅花、牛膝などを加えます。
(ふだんの腰痛に対して) 参苓白朮散、六君子湯などから選択し、経筋から湿気を除く成分として独活、羌活など、腰を強化する成分として続断、杜仲などを加えます。

●鍼灸による治療は
(今回の腰痛に対して) もっとも痛む局部に針を打って冷えの邪を除去するための「瀉法」という操作を施し、さらに灸で加温します。加えて腰をめぐっている経筋(太陽経筋)の遠隔部にあるツボの中から、痛み止めや血行の改善効果が大きい「委中」や「養老」を選んで、ひびき感が患部の方向へ流れるように針を操作します。また、太腿外側のしびれ感には「少腸経筋」の流れをよくするツボ「環跳」を選んで、ひびき感をその部位へ誘導するように針を操作します。
(ふだんの腰痛に対して) 脾気を補って水液の代謝をよくするツボ「足三里」「陰陵泉」「三陰交」「太白」「脾兪」の中からいくつかを組み合わせ、これに腰部のツボ(腎兪、大腸兪など)をプラスして、「補法」という操作を施します。

最後に
 もちろん初診のその日に、以上すべての治療を行ったわけではありません。まずは今回の腰痛に対する針治療と灸による加温を行い、帰りに漢方薬を処方。患者の状態によってはこれを2~3回続けて、急性のひどい腰痛症状が消えてから、ふだんの腰痛に対する治療を始めることもあります。
 幸いにしてこの患者の場合は、診断後に30分間ほど鍼灸治療を施しただけで痛みは軽快し、来院したときとは別人のような足取りで帰っていきました。その後は2~3日漢方薬を飲んだだけで急性症状は完全になくなったとのこと。2回目からは「病の本質」の治療に取りかかったのはいうまでもありません。

【出典】 日本実業出版社(著:関口善太)
東洋医学のしくみ

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  • 【辞書・辞典名】東洋医学のしくみ事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】関口善太
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】115
  • 【発売日】2003年7月
  • 【ISBN】978-4534036179










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