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 鍵と錠


「ピッキング」と呼ばれる錠前破りの荒業が世間を騒がせ、鍵の技術が一躍注目を浴びた。鍵は、古くて新しいテーマなのである。



人が財(ざい)を貯めるようになったからこそ、鍵と錠が生まれたのだというが、ここで、その鍵のしくみを見てみよう。

ウォード錠は、古代ローマでも利用されていたという古い歴史があり、漫画(まんが)などでも「鍵」のイメージとして描かれている。

錠の内部には「ウォード」と呼ばれる突起が設けられ、正しい鍵なら、それに当たらずに回転できる。

しくみが単純で合鍵(あいかぎ)が偽造(ぎぞう)されやすいが、今も鞄(かばん)などに使われている。

ウォード錠と流れが異なるものにシリンダー錠(シリンダーは「筒」の意味)がある。

最近、ピッキング犯罪でも有名になった錠だ。

これは鍵の凹凸によって何本ものかんぬきを同時にはずすという発想で作られている。

このかんぬきの働きをするものをタンブラーと呼ぶ。

ピッキング犯罪が報道される以前は、ほとんどの家庭用錠がこのシリンダー錠だった。

そんな中、ピッキング対策として普及したのがディンプル錠だ。

ディンプルとは「くぼみ」の意味だが、実際この鍵にはいくつもの「くぼみ」が掘られている。

しくみはシリンダー錠と同じで、「くぼみ」でタンブラーを整列させて開錠する。

タンブラーの数と方向が増やせるぶん、不正に開錠しにくい。

さらに頼もしい錠として、マグネット錠も登場している。

正しくは「マグネチックタンブラーシリンダー錠」といい、鍵のギザギザや凹凸(おうとつ)をマグネットに代行させる。

S極とN極のパターンが合致(がっち)すれば、開錠される。

セキュリティーを厳しくしようとすると、さらに電子化が進む。

例えば、最近の自動車におけるイモビライザーがそうだ。

鍵(キー)から出る電波に乗せられた暗号を車体のコンピューターが解読し、エンジン始動を可能にする。

近年普及し始めたカード式電子錠もイモビライザーに似ている。

スイカやパスモが認証されるのと同じしくみを利用して開錠するのだ。

鍵と錠の発展は犯罪とのいたちごっこである。

錠と鍵は常に「古くて新しい」テーマなのである。



【出典】 中経出版
雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2

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『雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2』の紹介



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著者
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 中経出版「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」


  • 【著者・監修】涌井良幸・涌井貞美[link]
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