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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
┗「冬至」まで3日
・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
米【こめ】
- 海外赴任や旅行など、日本を離れていちばん恋しくなるのは、やはり日本の米ではないだろうか。日本の米市場の筆頭銘柄といえば「コシヒカリ」と「ササニシキ」。これらならば、おかずがなくても食べられるという人もいるだろう。コシヒカリやササニシキには、一般に流通するときの名前とは別に、品種上の名前が付いている。コシヒカリが「農林一〇〇号」で、ササニシキが「農林一五〇号」だ。一〇〇号、一五〇号というからには、一号もあるのかといえば、「農林一号」も、もちろんある。農林一号は、山形県で小作人をしていた阿部亀治が明治二六年に創選し、現在の良食味品種の元祖といわれる「亀ノ尾」の孫にあたる。そして、この農林一号は、実はコシヒカリのお父さんなのである。コシヒカリもササニシキも、掛け合わせの品種改良によってでき上がった米だ。コシヒカリは、おいしくてとれ高も多いが、いもち病に弱い農林一号と、いもち病に強くて品質がよい農林二二号を掛け合わせた米で、味がよいうえに栽培適地が広く、耐寒性が高いなど、長所ばかりを集めてでき上がった優等生だ。ササニシキも東北の名米「ササシグレ(東北五四号)」と、コシヒカリと同じく農林一号と農林二二号を親とする「ハツニシキ(奥羽二二四号)」の掛け合わせだ。どちらも日本を代表するブランド米となった。ちなみに、コシヒカリに奥羽二九二号を掛け合わせたのが「あきたこまち」である。本来、こういった品種改良は、その土地の気候や土壌に合わせ、病気に強く、寒さに耐えられるようにといった目的でおこなっている。よりおいしい米をつくろうとする努力の結晶が、新種の米というわけだ。現在では、年間約二〇種類もの新種ができているが、実際に新種が誕生するまでには、一〇年以上の年月をかけるのが普通である。また、おいしい米をつくるだけでは、なかなか売れなかったりもする。そこで、米のイメージにピッタリの「名称」を付けてあげるわけだ。最近では、宮城県の「ひとめぼれ」のように、名称を公募するケースも増えている。コシヒカリやササニシキがブランド米に育った背景には、やはりネーミングのよさがあっただろう。パッケージに印刷されたネーミングが「農林一〇〇号」では、どんなにおいしいお米でも、消費者はなかなか手を出すまい。
コシヒカリの品種上の本名は、「農林一〇〇号」
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全2 」 |
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雑学大全2

- 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487801305