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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
┗「冬至」まで3日
・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
エリック・サティ【えりっくさてぃ】
- 『ヴェクサシオン』というピアノ曲がある。なんと題名の意味は、フランス語で「イライラ、嫌がらせ」だという。なぜそんな題名がついたのかというと、確かに曲の内容が、いかにもイライラさせる曲であるのだ。作曲家は、そういった変わった題名がつく曲を書くことで有名だったエリック・サティである。さて、どんな嫌がらせかというと……。この曲を最後まで聞き通せるのは、よほどのツワモノ。とてつもなく長い曲で、指示通りに演奏をすると、この一曲で一五?一八時間もかかってしまうという。この作曲者のエリック・サティという人、かなりの変わり者。その独特の作風が近年になって見直されてもいるが、小節線を廃止した曲や変わった題名の曲をつくった超個性派の作曲家として有名なのだ。その長い曲の内容だが、一分あまりの二小節二六拍のフレーズを八四〇回繰り返すだけという。しかも「Tres lent(たいへん遅く)」という指示のみ。確かに究極の嫌がらせである。一九九七年には、ある高校生の九人組が、卒業記念に二〇分おきに交替するという方法でこの曲を演奏したという。観客もそれにずっと付き合ったのかどうかは定かではないが、どちらもたいしたツワモノたちである。ここまでエキセントリックではないものの、同じような繰り返しの手法を使った曲はクラシックではいくつかある。ヨハン・シュトラウス二世がつくった『常動曲』では、四小節の前奏に続いて八小節単位の音楽が二四回繰り返される。その後も、また何回でも、好きなだけ繰り返していいことになっているから、曲そのもののつくりとしては、終わりのない曲ということになる。副題は「音楽による冗談」。二〇〇二(平成一四)年の小澤征爾氏指揮のコンサートでも演奏されて、その終わりは、一回目の演奏が終わると小澤氏が客席に向かって「ウント・ソー・ヴァイター!」(などなど、エトセトラの意味)と叫んで終わっているという。
鑑賞というより苦行? 一八時間に及ぶピアノ曲
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全2 」 |
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雑学大全2

- 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487801305