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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
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・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
エリーゼのために【えりーぜのために】
- ピアノを本格的に習ったことのある人でなくても、さわりぐらいは知っている名曲『エリーゼのために』。かの有名なベートーベンの作曲で、彼の死後、テレーゼ・フォン・ドロスティックという女性の蔵書のなかから彼の自筆の楽譜が発見されて、世に出ることになった。タイトルに「四月二七日、エリーゼの思い出のために、ベートーベン作」と彼自身の手で楽譜に記述があったという。しかし、歴史をたどってみると、彼の周辺にエリーゼという名前の女性はおらず、長年、謎とされていた。ところが、二〇世紀に入って、ベートーベンの筆跡研究家であるマックス・ウィンガー教授が、原稿に書かれたベートーベンの乱雑な筆跡を分析したところ、「テレーゼとも読める」という鑑定結果を出したため、これを受けて、「エリーゼのために」は「テレーゼのために」の読み間違いという説が有力になってしまった。テレーゼは実在した人物で、ベートーベンが結婚を望んだとされている、弟子のテレーゼ・マルファッティ嬢のことである。イタリア系の大地主の血筋を引いた彼女は、美しい上にのびのびとした性格で、ウィーン社交界でも評判になるほどの才媛だった。この時ベートーベンは、すでに四〇歳だったが、当時一七歳の彼女にほれ込んで猛烈なラブレターを何通も書いて求婚したという。年齢差もあってか、その恋は成就しなかったのだが、この少女テレーゼへの想いが、名曲『エリーゼのために』を生み出したのである。気難しく激しい気性であったはずのベートーベンが作曲した荘厳な数々の交響曲からは程遠い、かわいらしく美しい旋律は、恋をしているベートーベンを想像させておもしろい。
「テレーゼ」を読み間違えて「エリーゼ」に
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全2 」 |
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雑学大全2

- 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487801305