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食虫植物【東京雑学研究会編】
- アメリカのノース・カロライナ州やサウス・カロライナ州に自生する、モウセンゴケ科の植物ハエトリソウは、その名のとおり、ハエなどの虫を捕えては、その養分を吸収してしまう。
ハエトリソウは、「ヴィーナスのハエトリワナ」という意味の英名・学名を持ち、春に咲く白い花の美しさから、日本や欧米では観賞用に栽培されているほどである。だが、その一方で、獲物である虫を捕えるための、巧みな罠を持っているのである。
虫を捕えるのは、面積が一~二・五平方センチメートルほどの小さな葉で、「捕虫葉」と呼ばれている。周囲にはトゲがあり、二枚貝のように二つに折れ曲がるようになっている。捕虫葉の左右には、三本ずつの感覚毛があり、センサーの働きをしている。
だが、このセンサーは、虫が一回触れただけでは反応しない。まだ、虫が葉の端にいて、逃げられてしまう可能性があるからである。しかし、虫が約二〇秒以内に二回以上、感覚毛に触れると、はじめてその刺激が葉身に伝わる。つまり、獲物が葉の中央部にきて、確実に捕えることができるタイミングをはかっているのである。
葉が感覚毛からの刺激を受けると、中央部に水分が移動する。この移動と圧力の増加によって、葉身の容積が急激に変化し、二枚貝が閉じるように、葉が閉じる。その速さは、わずか〇・〇一~〇・五秒といわれ、獲物はあっという間に捕えられてしまうのである。
しかも、葉が閉じると、周囲のトゲが互い違いに合わさって檻のようになるので、獲物は逃げられない。葉は、さらにきつく締まって、獲物を押しつぶす。押しつぶされた獲物が尿酸を排出すると、葉の中央にある消化腺から消化酵素が分泌される。ハエトリソウは、こうして、七~一〇日もかけて獲物を溶かし、すっかり養分を吸い取って、皮だけにしてしまうのである。
通常の植物は、細胞を作るのに必要なタンパク質を、土壌から栄養分を吸収して合成しているのだが、ハエトリソウが生育している土地は、土壌がやせている。そのため、虫を捕えて、タンパク質を補っているのである。
§虫を捕えて食べる植物が存在する?
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全 」 |
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雑学大全

- 【辞書・辞典名】雑学大全[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487799473