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 鍼灸や漢方薬の副作用【はりきゅうやかんぽうやくのふくさよう】


お灸のやりすぎで生理が止まった



 鍼灸や漢方薬副作用少ないとお思いの方も多いことでしょうが、それは基本的な診断があってのことです。診断の基本的な部分に誤りがあると、ときとして患者さんに多大な迷惑をかけることもあります。実際に日本で起こるトラブルには、副作用というより明らかに誤診の場合の方が多いのです。ここではこうした誤診の一例を紹介してみます。
 トラブルを訴えてきたのは、結婚を直前に控えているという痩せ型の女性で、妊娠でもないのに2か月前から生理が止まって悩んでいました。そこでそのいきさつを聞いてみました。
 5か月前に結婚が決まったので勤めていた会社を辞め、料理などを習い始めた頃、あまり体が丈夫ではない自分を気遣って、結婚前に体調を整えた方がいいと、母親が行きつけの鍼灸院に連れて行ってくれた。先生から「虚弱体質にはお灸が合う」という説明を受け、さっそく足や背中にお灸をしてもらったところ、とても気持ちよく感じたので、毎週通うことにした。次の週になって、事情を知った先生は効果が早まるようにと、薬草入りの棒灸を使った自宅治療の方法を教えてくれた。ツボのところに棒灸を近づけて温熱刺激を加えるという方法で、以後治療院に行かない日は毎日自分で治療した。すると、1か月ほど過ぎた頃から微熱が出て生理が遅れだした。もともと遅れ気味だったので気にせずに続けていたら、3か月目からは生理が来なくなったので、驚いてお灸を中止した。しかし微熱が治まらず、生理もまだ来ない。ということでした。
 お灸は熱を加える治療であるため、寒証に多用し、一般に熱証にはあまり用いません。東洋医学では痩せ気味な人は陰血が不足しやすいという教えがありますが、この方も痩せ型であり、もともと生理が遅れがちだったことから、体質的に陰血不足だったことがうかがえます。ここに灸治療を連続して行えば、陰血はさらに消耗して陰虚証になることは容易に想像できますし、微熱は陰虚証の特徴的な症状なのです。ほかに日常生活に不摂生はなかったということですし、舌や脈などの症状にも陰虚証を示すものが多く、原因は灸治療であるという結論に達しました。
 この方には陰虚の治療を行って微熱を止めたところ、数か月後には生理が始まりました。診断をおろそかにして安易に治療を行うべきでないことを、つくづく感じさせられたできごとでした。

【出典】 日本実業出版社(著:関口善太)
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  • 【辞書・辞典名】東洋医学のしくみ事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】関口善太
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】115
  • 【発売日】2003年7月
  • 【ISBN】978-4534036179










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