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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
┗「冬至」まで3日
・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
扶正
邪【ふせいきょじゃ】
- ◆虚実にポイントをおいた治療原則
繰り返しになりますが、病気になる原因として、正気は正常なのに邪気が盛んになり過ぎて発症するのが「実証」、邪気はさほど強くないのに正気が不足しているために発症するのが「虚証」だと説明しました。「扶正邪」とは、この虚実にポイントをおいて治療しようという原則です。
これを「扶正」と「邪」に分けると次のようになりますが、この中の「補法」と「瀉法」についてはこれからもよく出てきますので、覚えておいてください。
扶正…虚証に対して不足している正気を補うこと。それを主眼とした治療方法(方針)が「補法」邪…実証に対して強い邪気を取り除くこと。それを主眼とした治療方法(方針)が「瀉法」
◆病の本質を治療する補法
日本では東洋医学を慢性疾患によく使いますが、このとき治病求本で示される病の本質を治療する多くの場合が、補法になります。
ただし実際の治療では、具体的に不足している正気が何かを見きわめて個別に対処する必要があるので、単純に虚証と判断しただけでは何もできません。気・血・津液の3つに対応するだけでも、補法は違ってくるのです。
気が不足している「気虚」には「補気法」、血が不足している「血虚」には「補血法」、津液が不足した「津液虧損」には「滋津潤燥法」などがあります。
◆急性の療法に使われる瀉法
実証に対する「瀉法」は、補法とは逆に病気の急性期の一時的な治療や対症療法に使われる場合がほとんどで、慢性化した病気に対する根本的に治療にはなり得ません。
実証というだけで簡単に治療できないのは補法と同じで、まず体外からの六淫が原因で起こっているのか、体内の異常代謝物質によって起こっている実証なのかを見きわめて、それぞれに適した瀉法を選択する必要があります。
瀉法の方法として、体外からの邪気を追い出すには「解表」、異常代謝物質のうち「気滞」には「疏肝理気」、「血」には「活血化
」、「痰湿」には「利湿化痰」、「食滞」には「消食導滞」という方法が使われます。
補法、瀉法ともに治療の方針ですから、具体的な治療手段はそのあとに続くことになります。たとえば、同じ補気法で治療する場合でも、漢方薬を使うケースもあれば鍼灸で治療するケースもあるということです。
扶正

【出典】![]() |
日本実業出版社(著:関口善太) 「 東洋医学のしくみ 」 |
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東洋医学のしくみについて | ||
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この言葉が収録されている辞典 |
東洋医学のしくみ事典

- 【辞書・辞典名】東洋医学のしくみ事典[link]
- 【出版社】日本実業出版社
- 【編集委員】関口善太
- 【書籍版の価格】1,620
- 【収録語数】115
- 【発売日】2003年7月
- 【ISBN】978-4534036179