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 ゴヤ【ごや】


「巨人」は二人いる!?



スペイン最大の画家フランシスコ・デ・ゴヤが一八〇八年から一八一二年頃までに描いたといわれる『巨人』。別称として『パニック』というタイトルも付けられているこの絵は、下部には戦火でパニックとなり逃げ惑う民衆、その民衆に背を向けるようにたくましい裸体で拳を構えて立っている巨人がいて、上部には暗雲が立ち込め、その悲劇を暗示しているかのようである。この絵画に描かれた巨人は、ナポレオンであるとも当時の首相ゴドイであるともいわれており、逆に民衆を守っている守護霊なのだとも解釈されているが、ゴヤはこの絵を誰に注文されたというわけでもなく、自分の意思で描いたとされている。いったい、彼は何を伝えたかったのだろうか。真っ黒な雲に閉ざされた空と、嵐を予感させる暗雲の向こう真っ白な雲。目に見えない何かと戦うかのように拳を構える巨人。おそらくナポレオン戦争の悲劇を象徴的に描いたと思われるが、この絵を描いた同じ頃、一八一〇年から一八一八年にゴヤはもう一つの作品をつくり上げている。メゾチントという手法でつくられたゴヤ唯一の作品である。直刻法の銅版画で、有明の月が残るまだ薄暗い空を背景に、裸の巨人が荒れ果てた小さな村落のある平原の中にポツリと腰を下ろしている。ふと何か気配を感じて振り向いたように空を見上げている姿が描かれているが、その巨人の孤独と空虚感、つまりは戦争をすることによる民衆の苦悩や虚しさをあらわしているといえるだろう。この二つの作品の対比から浮かび上がってくるのは、ゴヤが本当に描きたかったことではないだろうか。現在の解釈で最も有力なのは、スペイン民衆にナポレオン軍の侵略に対しての決起を呼びかけたファン・バウチスタ・アリアーサの詩「ピレネーの予言」に触発されて描いたというものである。つまり、巨人はスペインの民衆、下部の逃げ惑う民衆が実際に起こっている戦争の悲劇なのだが、その悲劇を打開するために立ち上がろうというメッセージを込めて描かれた作品だと思われる。実際に、史実としても、ナポレオン侵略にスペイン国民は必死で抵抗して勝利し、スペインは近代国家としての幕開けをするのだ。

【出典】 東京書籍(著:東京雑学研究会)
雑学大全2

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雑学大全2について
浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。
この言葉が収録されている辞典

 雑学大全2


  • 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
  • 【出版社】東京書籍
  • 【編集委員】東京雑学研究会
  • 【書籍版の価格】2,160
  • 【収録語数】1,000
  • 【発売日】2004年8月
  • 【ISBN】978-4487801305










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