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 蚊取り線香②【東京雑学研究会編】


§蚊取り線香と無煙の蚊取り器の違いは?



日本の夏の風物詩だった蚊取り線香も、最近ではマット式やリキッド式の電気蚊取り器に押され気味だ。現在の売上げは、蚊取り線香四割、マット式一割、リキッド式五割で、無煙の蚊取り器の方が主流だという。ところで、蚊取り線香と無煙の電気蚊取り器は、蚊の取り方に違いがあるのだろうか。
基本になるしくみは、実はどちらの方式も変わりがない。空気中にピレスロイドという殺虫成分を拡散させ、それに接触した蚊が死んで落ちる。拡散のさせ方が違うだけだ。
蚊取り線香は、木のくずなどをデンプンでつないだものにピレスロイドを混入させて作る。線香を燃焼させることで、ピレスロイドを煙として拡散させている。火の温度は七〇〇度くらいだが、ピレスロイドはその手前の一七〇度前後で出ている。だから煙そのものに殺虫成分はなく、手前で出たピレスロイドを運ぶはたらきをしているだけだ。
一方の電気蚊取り器は、一七〇度でピレスロイドが出ることを応用して、電気で温度を上げて殺虫成分を出す。マット式はピレスロイドを含ませた繊維質マットを電気で加熱して気体にして、リキッド式はピレスロイドの入った液に吸上げ芯を入れて上部を加熱することで同様に気体にして拡散させている。
同じ広さの空間なら、線香でも電気式でも効果に違いはない。両者の大きな違いは、効果の速さだ。
煙の粒子にのせて速く遠くまで広げることのできる蚊取り線香は、昔ながらの日本家屋のような開放的な空間に適している。無煙の電気蚊取り器は、蚊が落ちる濃度になるのには多少時間がかかるが、煙が嫌いな人やマンションなど気密性の高い住宅に向いている。
以前は蚊取り線香の原料に、除虫菊が使われていた。しかし、戦後の食糧難の時代に、除虫菊畑はイモや野菜を作る畑になってしまい、いまでは最初に栽培された和歌山県に観光用に残っているくらいだという。
なお、どちらも通常の使用量なら人間には無害だが、赤ちゃんや特に煙や薬品に弱い人には、時々換気しながら使うなどの配慮が必要だろう。

【出典】 東京書籍(著:東京雑学研究会)
雑学大全

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  • 【辞書・辞典名】雑学大全[link]
  • 【出版社】東京書籍
  • 【編集委員】東京雑学研究会
  • 【書籍版の価格】2,160
  • 【収録語数】1,000
  • 【発売日】2004年8月
  • 【ISBN】978-4487799473










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