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 中薬と日本漢方【ちゅうやくとにほんかんぽう】



◆「漢方薬」は日本だけの呼び名
 説明している漢方薬は、あくまでも東洋医学(中国の伝統医学)の薬を指しています。一方、江戸時代に独自の形で発展した日本漢方というのもあり、この2つはかなり相違点があるので注意が必要です。
 効能や処方の仕方に違いがあるほか、日本で考案された薬もあります。改源、正露丸などがそれに当たるもので、これらを「和漢薬」と呼んで区別する場合もあれば、中国の漢方薬を「中薬(ちゅうやく)」と呼ぶことで混同を避ける場合もあります。
 この「中薬」とは、本場中国における「漢方薬」の呼び名で、もちろんそのまま漢方薬とは呼びません。また、薬草単体で使うときを中薬、複数組み合わせるときは「方剤」と呼び分けることもあります。
 また、本来漢方薬は患者個別のオーダーメイドで作るものですが、近年では、方剤の処方をレディメイドにした錠剤や液剤が数多く作られています。これらは「中成薬」と呼ばれています。

◆中薬の種類・処方数の中国との差
 漢方薬かそうではないかを区別するとき、日本では昔から「古典に載っていない処方のものは漢方薬ではない」とよく言われてきました。しかし、これは間違いです。
 多くの漢方薬では複数の薬草を組み合わせて使います。そしてその組合せは現在でも増えつつあります。
 本家の中国では、個々の薬草の機能や性質を研究する「中薬学」があり、臨床ではその知識をベースに、効果的な使用方法や薬草の組合せを勉強しています。
 患者に合わせオリジナルの処方を作ったり、○○湯といった既成の組合せにアレンジ加えるなど、柔軟な方法がとられています。古典以外は漢方薬ではないという言い方は、もはや通用しないでしょう。
 ちなみに、中国で名人といわれるような医師(「老中医」と呼ばれる)は、2000種以上もの中薬の処方をマスターしており、そのうえで、患者に合わせるべくさらにアレンジを加えているのです。
 日本では、これだけ多くの処方を知っている人はいないでしょう。なぜなら、日本の『薬局製剤方』に載っている漢方処方は180種類にすぎないからです。
 中国国内で常用されている中薬は約700種類ですが、日本に入ってきているものは、その半分の350種類です。またその中には、保険がきかないので大変高価だったり、輸入できないために中国と同じ処方ができないというものも数多くあります。

【出典】 日本実業出版社(著:関口善太)
東洋医学のしくみ

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  1. 東洋医学のしくみ>4章 漢方薬の世界>    >    中薬と日本漢方

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東洋医学の正しい知識がわかる本。「病気はなぜ起こるのか」「そしてどうやって治すのか」「病気の証とは何か」など現代医学とは違う視点・考え方で詳しく解説。
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  • 【辞書・辞典名】東洋医学のしくみ事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】関口善太
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】115
  • 【発売日】2003年7月
  • 【ISBN】978-4534036179










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