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 市販薬を含む外用薬の使い方【しはんやくをふくむがいようやくのつかいかた】





 外用薬には、様々な種類のものがあり、表1:外用薬の種類にその種類を列挙してみました。

1.保湿外用薬
 市販でも手に入る尿素含有軟膏(ケラチナミン(R)など)が一般的で、皮膚の乾燥にうるおいを与えます。アトピー性皮膚炎のドライスキンや、老人性乾皮症(冬場の乾燥肌)に対して用います。このほか、ヘパリン類似物質含有軟膏(ヒルドイド(R)など)やセラミド含有クリーム(キュレル(R):市販薬)など近年品数が増えてきています。

2.非ステロイド系外用薬
 アンダームを筆頭にスタデルム、ベシカム、スルプロチン、コンベック、フェナゾール、ジルダザック、トパルジック、スレンダムなどがあります。湿疹・皮膚炎、帯状疱疹(たいじょうほうしん)などに適応をもち、ステロイドではない外用薬として、ステロイドをこわがる患者さん、医師らに愛用されている傾向があります。市販でも、ブフェキサマク外用薬(アンダームと同一)などとしてよく売れています。しかし、効果は極めて弱く、長期に慢性の皮膚炎に外用し続けると、かぶれを起こす頻度も少なくないため、今後はあまり用いていくべき外用薬とはいえません。ただ、ボルタレンゲルやインテバンクリームのように、痛みに対する外用薬は有用かもしれません。

3.ステロイド外用薬
 表2:ステロイドの分類に示す通り、薬効による5段階(I~V)の強弱の分類があり、「III 強力」(strong)クラス以下のものは、市販でも手に入ります(フルコート、ベトネベート、リドメックスなど)。「IV 中等度」(medium)と「V 弱い」(weak)を1つにまとめてmildとする分類もあり、これらの分類は、薬効の強さを示すと同時に、表3:ステロイドの副作用に示すような様々なステロイド外用薬の副作用の出やすさにも関連します。したがって経皮吸収がよく、口囲皮膚炎などの副作用の出やすい顔面頭部などでは、「中等度」(medium)以下のものを通常は用い、他の部位でも2歳までは「中等度」まで、3~12歳は「強力」まで、13歳以上は「かなり強力」(very storng)までをアトピー性皮膚炎の中等症では目安にしているなど、きめこまやかなランクの選択が必要となります。逆に、弱めのものをずるずると長く用いていくことも副作用を出す原因となるので、症状が強ければ、適宜「最強」(storngest)を用いる選択も必要となります。ひどい接触皮膚炎や毛虫皮膚炎(茶毒蛾〈ちゃどくが〉)などには、当然「最強」を用いるべきといえます。
 また剤型としてローションやテープなどもあり、ローションは頭皮など、テープは結節性痒疹(ようしん)やケロイドなどに用いられます。

4.抗菌・抗真菌・抗ウイルス外用薬
 抗菌外用薬としては、ゲンタシン、テラマイ、クロマイなどがよく用いられ、感染のあるびらん・創に用いられます。近年は、耐性菌が増え、むしろ水道水でよく洗浄することのほうが創の治療には良いとされます。抗真菌外用薬は、マイコスポール、メンタックス、ラミシール、ニゾラール、エクセルダームなど数多く、一部は同じものが市販されて利用可能です(ラミシールなど)。いわゆる水虫(足白癬〈そくはくせん〉)などの治療に用い、最近の薬は、1日1回の外用で十分効果が現れます。ときに、接触皮膚炎を起こす(とくに市販ででまわっているもの)ことがあり、外用中悪化した場合は、中止し皮膚科に相談しなければなりません。
 抗ウイルス外用薬は、アラセナA、ゾビラックスなどで、口唇ヘルペスなど単純ヘルペスに対し用いられます。ヘルペスは、何回も再発することが多く、ムズムズと感じた病初期にすぐ外用を開始すると効果的です。

5.脱毛・白斑(はくはん)治療薬
 フロジン液という外用薬が古くから用いられており、男性型脱毛に対しては、近年、ロゲイン(R)(ミノキシジル)やプロペシア(R)が用いられています。

6.にきび治療薬
 古典的なクンメルフェルド液(イオウカンフルローション)や、アクアチム(クリーム、ローション)、ダラシンTゲルなどがあり、市販されているものは、クレアラシルなど品数も多いのが特徴です。しかし、レチノールなどさらに強力な欧米のにきび治療薬は、まだ安全性の問題などの点で日本ではやっと治験が修了したところです。膿疱(のうほう)内ににきびダニが発生している場合は、抗生剤内服治療に抵抗性で、イオウ含有のクンメルフェルド液が著効します。

7.ビタミンD3外用薬
 乾癬(かんせん)に対して用いられる新しい外用薬で、多く外用すると腎障害を起こすこともあります。皮膚科での処方が必要で、ステロイド外用薬のもつ局所副作用がなく、同等に効果を示します。乾癬以外にも様々な皮膚疾患に効果を示すと報告されています。

8.皮膚潰瘍治療薬
 アクトシン、ユーパスタ、カデックス、プロスタンディン、フィブラストスプレーなどがあり、褥瘡(じょくそう)、下腿皮膚潰瘍などの処置に用いられます。

9.古典的外用薬
 ビタミンA含有のザーネやサリチル酸ワセリンなどは、角化性皮膚疾患に用いられます。オイラックスやレスタミン軟膏も古典的外用薬の代表で、鎮痒(ちんよう)薬(かゆみを抑える薬)として湿疹・皮膚炎に用いられています。
 オイラックスは、近年、老人介護施設などで集団発生して問題となっている疥癬(かいせん)に対して有効で、軽症であれば、これと「ムトウハップ」の入浴のみで十分です。重症の場合は、γ-BHCやDDTなどの殺虫剤の併用、もしくはイベルメクチンの内服が必要となります。古典的外用薬の中で、現在でも有用性が高くよく用いられるのは亜鉛華軟膏(サトウザルベ、ボチシート)で、ガーゼやリント布にたっぷりとのばして、かきこわした皮疹に貼ると、2~3日で上皮化を促し、軽快します。

10.局所免疫調整外用薬
 プロトピックというアトピー性皮膚炎用の外用薬が中心となります。もともと臓器移植などの時の拒絶反応を抑えるために用いる免疫抑制剤を外用薬にしたもので、アトピー性皮膚炎のとくに顔・頸(くび)の皮疹に著効を示します。使用開始2~3日は、灼熱感が高頻度に出るので、それなりの心がまえを必要とする薬ですが、極めて有用な新しい外用薬といえます。 (江藤隆史

【出典】 日本医療企画(著:寺下 謙三)
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  • 【出版社】日本医療企画
  • 【編集委員】寺下 謙三
  • 【書籍版の価格】5,142
  • 【収録語数】1,787
  • 【発売日】2006年7月
  • 【ISBN】978-4890417162










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