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 聴神経腫瘍【ちょうしんけいしゅよう】



 聴神経腫瘍は、前庭神経という、バランスをつかさどる神経から発生する良性脳腫瘍で、脳腫瘍の約10%を占めます。症状はほとんどが一側の耳鳴りと難聴で、めまい感を伴うこともあり、多くは耳鼻咽喉科で発見されます。腫瘍の存在する後頭蓋窩(こうずがいか)の小脳橋角部や内耳道という場所は、CTでは大きな腫瘍以外は診断が困難でしたが、近年、MRIの普及により、腫瘍が小さいうちにこの病気と診断される機会が増えています。
 小脳橋角部に発生する腫瘍の約2/3が聴神経腫瘍ですが、この腫瘍には通常、顔面神経・蝸牛(かぎゅう)神経・上前庭神経・下前庭神経・中間神経と5本の神経がからみついており、前2者はそれぞれ顔面機能と聴覚という、非常に重要な機能を担当しており、腫瘍を切除する際にこれらの神経機能を落とさないことが重要となってきます。このために、手術中には術中モニタリングとして、顔面機能や聴機能をチェックしながら腫瘍切除を進めることが一般的です。聴神経腫瘍の手術は脳神経外科の手術の中でも最も難しいとされ、熟練度によって、手術成績はまったく異なってしまいますので、手術治療を受ける際には、聴神経腫瘍手術の専門家に依頼することが理想的です。セカンド・オピニオンを含め、最近は患者さんがインターネットなどで情報を入手して、ご自分の足で動いて納得する治療を受けることが当たり前になってきていますので、とくにこの病気については専門家を訪ねることが無難と思われます。
 手術だけでなく、放射線治療も近年は標準的な治療となってきていますが、この治療では腫瘍が消失するわけではなく、放射線治療後の再増大の際には、手術がさらにいっそう難しくなることも指摘されており、開頭手術とはまったく性格の異なる治療と考えるべきです。高齢者や手術リスクのある患者さんには放射線治療は有効ですが、若年者や腫瘍が大きい場合には、一般的には開頭手術が勧められます。この腫瘍は、治療方針が各施設や各医師によってまったく異なるのが現状です。
 したがって、この点を把握した上で、またこの腫瘍の専門家を何人か受診していろいろな意見をよく聞いた上で、患者さんの希望も含めて治療方針を決定することが理想的と考えます。 (河野道宏

【出典】 寺下医学事務所(著:寺下 謙三)
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 標準治療


  • 【辞書・辞典名】標準治療[link]
  • 【出版社】日本医療企画
  • 【編集委員】寺下 謙三
  • 【書籍版の価格】5,142
  • 【収録語数】1,787
  • 【発売日】2006年7月
  • 【ISBN】978-4890417162










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