見出し語 全文検索 [ランダム検索]

  • 今日のこよみ
    ・2019年(平成31年/)
    ・12月(師走/December)
    ・19日
    ・木(Thursday)
    ・二十四節気
    ┣「大雪」から12日
    ┗「冬至」まで3日
    先負
    ・十支:(かのえ)
    ・十二支:(とら)
    月齢:22
    月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
気づいた点・不具合・要望など、何でもひとことくださいませ



※返信が必要な場合は問い合わせフォームへお願いします 送信

 ドライミスト


駅や公園、大型施設の通路で、晴れた夏場に霧が噴射する装置を見かける。おかげで気温が2~3度下がり、快適になる。



日本では江戸時代から、街の気温を下げる「打ち水」の風習があった。

江戸はたいへん埃(ほこり)っぽい町だったというが、その埃を抑えるために水が撒(ま)かれた。

それが気温を下げる効果もあることに気づき、打ち水として定着したらしい。

現代でも、「打ち水大作戦」などといって、都市部で打ち水のイベントが定着している。

このように、打ち水は外気から奪う蒸発熱を利用して周囲を冷やすしくみだが、この単純なしくみを利用した冷却法が人気だ。

ドライミストである。

ミクロン単位の細かい水滴を噴射し、周囲の気温を2~3度下げることができる。

風がある炎天下の街中では、それ以上の効果がある。

普及の秘密は何といっても「屋外を効率よく冷やせる」という点にある。

これまでも、屋外型の冷却装置はあったものの、冷やせるエリアが狭く、何より電気代がかさむという難点があった。

節電が叫ばれている現代において、そうした屋外冷房は現実的でない。

その点、「ドライミスト」は細かい霧をシューっと噴き出すだけの簡単な構造である。

実にエアコンの20分の1のエネルギーで、周辺の気温を下げられる。

では、ドライミストの噴出装置の構造はどのようなものなのだろう。

基本は消火用のスプリンクラーと同じである。

スプリンクラーのノズル(放水口)の直径を16ミクロンと小さくし、6気圧程度の高圧の水圧をかければ、そのままドライミストが実現される。

16ミクロンという直径は、頭上から噴いても濡れた感じがせず、化粧落ちもしないという実験の結果だそうだ。

もちろんドライミストにも欠点はある。

湿度の高い曇り空の日には、いくら気温が高くても使えない。

かえって湿度を高めてしまうからだ。

打ち水効果で冷やす以上、それは仕方がない。

近年、ドライミストは動物園、農場など、人以外の施設にも盛んに利用されている。

そのシンプルさと省エネ性から、今後ますます応用の範囲が広がることが期待されている。



【出典】 中経出版
雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2

JLogosエディター

JLogos編集部

JLogos編集部です。…>>続き

→外部リンク

プロフィールを閉じる


  • 8567168
    0
  •      
  •      



▼関連キーワード:LTE  プラチナバンド  自動販売機  金属探知機  

   

『雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2』の紹介


  1. ◆「ドライミスト」の関連ワード

  2. LTE

  3. プラチナバンド

  4. 自動販売機

  5. 金属探知機


A D

著者
大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください!
→外部リンク
この言葉が収録されている辞典

 中経出版「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」


  • 【著者・監修】涌井良幸・涌井貞美[link]
  • 【Profile】中経出版
  • 【出版実績】
  • 【登録日】
  • 【最終更新日】










A D