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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
┗「冬至」まで3日
・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
生体認証
現在、多くの銀行のATMコーナーに静脈認証(じょうみゃくにんしょう)の装置が置かれている。
この装置は指や手の平の静脈パターンを赤外線で読み取り、本人を確認する。
体の一部で本人認証をするのである。
一昔前まではSF映画の世界で描かれた光景が現実になっているのだ。
静脈が利用されるのは、静脈のパターンが人によって異なるからだ。
このパターンを見るには赤外線を当てればいい。
静脈を流れている赤血球中のヘモグロビンは、酸素を失って赤外線を吸収しやすい。
そのため、当てられた赤外線は静脈で吸収され、パターンが暗く映し出されることになる。
このように生身で本人確認する認証方式を生体(せいたい)認証と呼ぶ。
バイオメトリックスと呼ぶほうが有名かもしれない。
生体認証のメリットは、カードなど、本人を確認するためのモノが不要なことである。
また、他人が本人の代わりをする「なりすまし」も不可能である。
おかげでシステムが安全になり、利用者も身軽になれるのだ。
静脈認証以外にも、さまざまな生体認証がある。
昔から利用されているものに指紋認証がある。
これは犯罪捜査で知名度が高いが、実用面でも利用されている。
例えばパソコンの本人確認用として、指紋の読み取り装置が販売されている。
システムの安全性に大いに貢献しているのだ。
SF映画などで有名なのは虹彩(こうさい)認証であろう。
瞳(ひとみ)の模様のパターンで本人を確認する方法である。
虹彩も人によって千差万別だからだ。
最も理想的なのは素顔の生体認証であろう。
人間同士の自然な認証方式であり、違和感がない。
テロ対策などで研究が進められ、一部では実際に利用されようとしている。
ところで、生体情報は変更が不可能である。
カードなどは再発行が可能だが、生体認証はそれができないのだ。
したがって、一度登録されると訂正がきかない。
悪用されれば一生本人のわざわいになる。
むやみに登録するのは危険であることを肝(きも)に銘じておこう。
かつてSF映画などに現れた生体認証が、今や日常で利用されている。身分証や鍵などが不要になる生活が実現しつつある。
【出典】![]() |
中経出版
「 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術 」 |
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『雑学科学読本 身のまわりのモノの技術』の紹介
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