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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
┗「冬至」まで3日
・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
▼神業! イカそうめんの包丁さばき
- 評判の高さを耳にして、函館朝市近くの味処「嘉兵衛」ののれんをくぐったことがある。「うちでは漁船の生簀からヤリイカを生かしたまま、専用活魚車で店まで運んでいるよ。それを店内の生簀に泳がしておいて、その日のうちにすくい出して料理にかかるんだ」と料理長の木村光雄さん。これ以上の鮮度はのぞむべくもないだろう。
料理法に度肝を抜かれた。ヤリイカの袖口から足を引き抜いてから皮をむく。ここまではなんということもない。次にヤリイカの身をぺたっとまな板におき、まな板に平行に包丁を進めていき、みごと薄い2枚におろしたのだ。初夏のスルメイカの身は薄く、これは神業に近い。こちらが兜を脱いだところに、追い打ちをかけるように、「身が厚くなる真夏には3枚におろすよ」というのだから開いた口がふさがらない。
それこそ厚めのトレーシングペーパー状の身を、包丁の先で縦に長く細く切る。そうめんよりもそうめんらしい一品が出来上がった。おろしショウガをつゆに溶いて、そうめんの作法ですすりこむ。コリコリした感触がなんとも愉快であり、つい頬がゆるんでしまう。のどごしも華やかだし、あと味も極上である。つい数分前まで泳ぎ戯れていたのだから、旨味は足りないかもしれないが、それを補ってあまりある心地よい食感があった。ヤリイカのおいしさを楽しみたい人に、5月の函館旅行をすすめたい。
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京書籍) 「 旬のうまい魚を知る本 」 |
A D |
旬のうまい魚を知る本について | ||
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この言葉が収録されている辞典 |
旬のうまい魚を知る本

- 【辞書・辞典名】旬のうまい魚を知る本[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京書籍
- 【書籍版の価格】1,836
- 【収録語数】650
- 【発売日】2002年8月
- 【ISBN】978-4487797776