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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
┗「冬至」まで3日
・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
正露丸【せいろがん】
- お腹を下したときの薬として広く知らしている「正露丸」。その誕生は日露戦争に由来する。当時の兵士たちの衛生環境はきわめて悪かった。そのうえ、慣れない敵地では、水や食べ物が体に合わず、下痢りをするものが続出した。どんなに勇ましい兵士でも、下痢をしていたのでは十分に戦うことができない。そこで、下痢止めの薬の早期開発が課題となった。帝国陸軍軍医学校教官の戸塚機知軍医は、一九〇三(明治三六)年に、クレオソート(日局クレオソート)が、チフス菌を抑制する効果があることを発見した。クレオソートは、歯科での鎮痛鎮静や消毒剤として、今日ではよく使われており、クレオソートのチフス菌に対する効果については異説もあるが、当時はこの効果が絶大だと信じられていた。実際、出征した兵士たちに服用させると、あっという間に症状が改善したという。現在でも愛用者が多いのだが、とにかく当時の兵士たちにとっては、悩める下痢から解放してくれる魔法の薬だったようである。当時の陸軍における正式名称は「クレオソート丸」だが、その効果と日露戦争中というご時世が重なり、巷では「征露丸」と呼ばれて、もてはやされた。この薬があれば、兵士のお腹の調子もよく、「ロシア(露)」を「征服」できるだろうとの思いからである。時代変わって四〇年後、第二次世界大戦が終結し、日本は連合軍の占領下にあったが、連合軍の一つであるロシアに対しても、また平和を誓う意味からも、たけだけしい「征」の文字はイメージがよくないということで、「正露丸」に改められた。ちなみに、おなじみのラッパのマークは、陸軍の兵士の進軍ラッパからきている。
ラッパのマークの「正露丸」は、もともとは「征露丸」と書く
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全2 」 |
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雑学大全2について | ||
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この言葉が収録されている辞典 |
雑学大全2

- 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487801305