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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
┗「冬至」まで3日
・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
菊池寛【きくちかん】
- 菊池寛は、一九二〇(大正九)年に発表した通俗小説『真珠夫人』の人気などをきっかけに、純文学から通俗文学に転向。一九二三(大正一二)年、雑誌『文藝春秋』を創刊して、文学を一般の人々にも身近なものとした。一九三五(昭和一〇)年、後進の育成のために芥川賞と直木賞を設定。編集、出版や文学の発展に貢献し、「文壇の大御所」と呼ばれた。「文壇の大御所」などというと、大物すぎてちょっと怖そうなイメージがあるが、菊池寛には、あきれるほどの涙もろさをうかがわせるエピソードが残されている。一九二〇年一〇月、戯曲『父帰る』が初上演されたときのこと。家族を捨てて女と家出した父が落ちぶれて戻ってきたとき、長男の賢一郎が父を許さずに一度は追い返すが、力なく立ち去ろうとする父を見て、弟妹たちとそのあとを追う……という話で、ストーリーと俳優の熱演によってたいへん感動的な芝居になった。長男の賢一郎が父の後を追うラストシーンでは、多くの観客が涙を流し、すすり泣く声が客席全体に広がった。芥川龍之介や久米正雄も涙を流していた。驚いたことに、作者の菊池寛自身までもが、平土間の客席にあぐらをかいたまま、しばらくは立とうともせず、じっとうつむいて涙を流していた。涙はなかなかやまず、鼻水まで出てきて、鼻紙を出して何度も何度も涙と鼻水を一緒にぬぐっていたという。驚くほど涙もろい人なのか? でなければ、よほど思い入れのある作品だったのか?作者自身の涙に、泣いていた周囲の人も驚いたらしい。
文壇の大御所は、自作の戯曲に大泣きした
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全2 」 |
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雑学大全2について | ||
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雑学大全2

- 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487801305