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ビンビール【東京雑学研究会編】
- ビンビールの栓を抜く瞬間の勢いのよい音は格別だ。しかし、ビールは本来、樽に入っている飲み物。ということは、ビールをビンに詰めた人物がいたことになる。
最初にビールをビンに入れようと考えたのは、アレキサンダー・ノーウェル。熱心なプロテスタントの牧師で、エドワード三世の時代にはイギリスの教会で高い地位についていた。一六世紀後半のことである。彼は同時に無類の釣り好きでもあった。
イギリスではプロテスタントの迫害が増していた時代。エドワード六世の次に即位した君主メアリー女王は、「イギリスのプロテスタント派を根絶やしにせよ」と家来に命令。一五五五年に「火あぶり」という粛清が開始された。
公職から追放され、暇になったノーウェルはある日、いつものように大好きな釣りに出かけた。当時ビールは樽の中に貯蔵されていたが、彼は携帯用容器としてビンを使い、そこにビールを詰めて飲みながら釣りを楽しもうとしていた。そこへメアリー女王の手の者によって逮捕投獄されるという知らせが入った。「泡を食う」とは、まさにこのことだ。
彼は釣道具を植えこみの下草の中に置き去りにし、船を使って無事大陸へ渡り、フランスに亡命した。しばらくしてメアリーが亡くなり、危険が去ったので彼は帰国した。
釣道具を残した場所に戻ってみると、食糧とビールを詰めたビンも残っていた。そのビンを開けた途端、鉄砲のような大きな音がした。そのビールは、とてもうまかった。
これがビールビン内発酵発見の最初の瞬間であった。ビールはビンに詰めた後も発酵を続けていた。そしていくぶん刺激性のある、さわやかな味をつけ加えた。これを知ったノーウェルはビンを、単なる携帯用容器としてでなく、ビールをもっとうまくするための道具として使用するようになったという。
§ビンビールは亡命の成功によって発見された!
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全 」 |
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雑学大全

- 【辞書・辞典名】雑学大全[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487799473