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 圧力鍋


普通の鍋の3分の1の時間で料理できる圧力鍋が人気だ。ガス代も節約できるし、味がよくしみておいしくなるのだ。



圧力鍋とは、文字通り「圧力をかけて調理する鍋」のことである。

調理時間を大幅に短縮できるだけでなく、ビタミンや素材の色を保てて、おいしく料理できるので人気がある。

圧力鍋の構造はいたってシンプル。

鍋を密封する蓋(ふた)に小さな穴をあけ、その穴の閉じ具合をおもりやスプリングで調整する。

素材を入れて火にかけると鍋の内側の圧力は上昇し、この穴の調整加減で圧力は高く一定に保たれる。

例えば、家庭用の圧力鍋では、内部が2気圧程度になるように調整されている。

ちなみに、1気圧とは平地で受ける大気の圧力である。

ではなぜ、圧力を高くすると調理時間が短縮されるのか。

それは、鍋の中の圧力が高いと水の沸騰(ふっとう)が抑えられ、高温調理が可能になるからである。

沸騰とは、水の分子が熱のエネルギーをもらって勢いよく飛び出す現象だ。

圧力が強いと分子はなかなか外に飛び出せない。

そのため、圧力をかければ沸騰温度は高くなる。

実際、圧力が1気圧なら水の沸騰温度は100度だが、2気圧にすると120度くらいの高温になる。

つまり、圧力鍋では120度での調理が可能なのだ。

調理時間が短縮される秘密はここにある。

圧力鍋は高山でとても重宝する。

高度が高くなって空気が薄くなると、気圧は低くなり、水の沸騰温度も低くなってしまう。

圧力鍋とは逆の現象が起きるのだ。

例えば、富士山頂では空気の圧力は地上の3分の2ほどになり、水は87度程度で沸騰する。

これでは、食材はいくら火を通しても生煮(なまにえ)の状態になってしまう。

圧力鍋を利用すれば、この問題は解決するわけだ。

圧力と沸騰の関係は、フリーズドライという食品の乾燥保存技術にも応用されている。

凍らせた物体を気圧がほとんどない部屋に置き、水分を一気に沸騰させて気化させ、乾かす方法である。

栄養分の変化はほとんど起きず、水や熱湯をかければすぐに元に戻せるため、カップラーメンの具の製造などに利用されている。



【出典】 中経出版
雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2

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『雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2』の紹介


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著者
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 中経出版「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」


  • 【著者・監修】涌井良幸・涌井貞美[link]
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