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 白瀬矗【しらせのぶ】


南極から帰国後、「借金返済の旅」に出た探検家



極点までは到達できなかったが、日本人初めて南極探検を試み、南緯八〇度五分の地点まで足を踏み入れたのが冒険家の白瀬矗である。彼が足を踏み入れた地点は「大和雪原」と命名されて、いまもその名で呼ばれ、彼の偉業を顕彰するものとなっている。また、現在の南極観測船「しらせ」も、彼の名前にちなんでつけられたものだ。白瀬は一八六一(文久元)年に秋田県で生まれた。小さい頃からわんぱくだった彼は、すでに一一歳にして北極探検を夢見る少年になっていた。そこからは探検家になるための人生計画を立てる日々が続いた。一八歳で明治政府の軍隊に入り、一八九三(明治二六)年から二度にわたって千島探検隊に参加して、極寒を体験するという準備もしている。ところが、日露戦争で彼は遼東半島に出兵させられたため、北極探検の準備が遅れてしまった。そんなとき、彼はアメリカのピアリー隊が北極点に到達したというニュースを聞く。一九〇九(明治四二)年のことであった。ここで彼はめげなかった。目的地を南極に変更して、翌年一月には議会に経費を請願し、これが受け入れられないとわかると募金に頼った。隊員を募り、募金でまかなえない分は借金をして木造船を購入し、なんとか日本を出発できたのは一一月も末になっていた。そして一九一一(明治四四)年二月、ニュージーランドウェリントンから南極へ向かおうとするも、氷に阻まれオーストラリアのシドニーに引き返した。その後、シドニーを出航して南極圏に乗り入れたのは、日本を出て一年が経っていた。大陸への初上陸は、さらに年が変わった一九一二(明治四五)年一月一六日のことだった。結局は極点到達がならなかったこと、また彼の後援会が資金を使い込んでいたことが発覚し、帰国した彼は膨大な借金の返済に追われる身となった。以後、白瀬は南極で撮影した映画の上映会を兼ねた講演会で各地を回り借金を返済していく。この旅は、南極への旅の一〇倍以上もの年月がかかり、ほぼ返済できたときは一九三五(昭和一〇)年になっていたという。

【出典】 東京書籍(著:東京雑学研究会)
雑学大全2

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雑学大全2について
浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。
この言葉が収録されている辞典

 雑学大全2


  • 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
  • 【出版社】東京書籍
  • 【編集委員】東京雑学研究会
  • 【書籍版の価格】2,160
  • 【収録語数】1,000
  • 【発売日】2004年8月
  • 【ISBN】978-4487801305










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