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 キス【東京雑学研究会編】


§キスからわかる相手のホンネ



人間は、いつ頃から、なぜキスをするようになったのだろう?
恋人や夫婦が愛情表現として唇と唇をあわせる行為は世界各地で見られ、挨拶として公然とキスする習慣のなかった日本にも、愛しあう男女の間の秘め事として唇をあわせる習慣はあった。
このキスの起源について、ちょっとユニークな説がある。
昔、男たちは獲物を求めて狩りに出て、女たちは家に残って家事や育児を行っていた。狩りに出た男たちは家に一人残してきた妻の行動が気になって仕方がない。ほかの男を家に呼んでいるかも知れない、そこで酒や食べ物を出して、その後こっそりと浮気をしているかも知れない……と心配するとキリがない。
こういったことは、疑えばいくらでも疑えるもの。だから男は狩りを終えて家に帰ると、まっ先に妻にキスして、彼女の口の中に食べ物や酒の味やにおいが残っていないかを確かめた。
この「嫉妬説」がキスの起こりだとすると、ロマンチックなキスも何とも味気ないものになってしまう。いずれにしても、歯磨きや消臭剤の普及した現代では、口の中に残った味やにおいをキスで確かめることはできそうにないが。
もう一つ、動物行動学者の間では、人間のキスは食物を口移し与える給餌行動が儀式化したものだという考え方もある。事実、チンパンジーなどの霊長類にも唇をあわせて挨拶する行動が見られるのだ。
けれども、唇と唇を合わせることがキスの本来の型だという証拠はあがっていない。
ポリネシアやマレーでは、恋人同士が唇と唇を合わせるキスは伝統文化として存在していないし、ネパールでも一般的ではない。
古代インドでは性愛の文学が豊富で、かなりダイレクトな性描写が見られるが、そこでは手による愛撫や抱擁、鼻と鼻を近づけて相手の臭いを嗅ぎあうことがメインで、唇を合わせるキスはほとんど登場しないのだ。
いずれにしても、キスは恋人や夫婦が、常に露出している顔の中で最も皮膚の薄い唇と唇を合わせる愛情表現。「嫉妬説」が本当だったとしても、やはり根底に愛情があることには変わりない。

【出典】 東京書籍(著:東京雑学研究会)
雑学大全

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  • 【辞書・辞典名】雑学大全[link]
  • 【出版社】東京書籍
  • 【編集委員】東京雑学研究会
  • 【書籍版の価格】2,160
  • 【収録語数】1,000
  • 【発売日】2004年8月
  • 【ISBN】978-4487799473










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