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 バス【ばす】


バスの語源は乗合馬車?



バスの前身は乗合馬車である。乗合馬車の馬を動力に代えたのがバスだといえる。「バス」の語源も乗合馬車を意味する「オムニバス」からきている。日本で最初のバスも乗合馬車を改造したもので、アメリカ製のエンジンを搭載し、箱の部分は乗合馬車のものをそっくり使ったものであった。
乗合バスが日本に登場したのは一九〇三(明治三六)年。広島市郊外の三篠村と可部町との区間約一五kmを運行したのが、日本最初の乗合バスだといわれている。同年に大阪の梅田―天王寺間や京都の七条―祇園間でも営業を開始している。
当時の乗合バスは、定員が少なかったために採算性が悪く、乗合馬車業界からの猛反対もあって、決して順風満帆な船出とはいえなかった。大都市では路面電車が普及するのに伴い、陰をひそめた。しかし、バスには軌道を必要とせず、道さえあればどこへでも行けるという利便性があったことや、乗合馬車より高速性に優れていたため、鉄道や路面電車の走っていない地域に路線を伸ばしていった。
当初のバスは、エンジン部が前に突き出しているボンネット型であったが、やがてエンジン部が中に組み込まれた箱型のものに変わっていった。今では運行しているのはほぼ一〇〇%が箱型のバスで、ボンネットバスは一部の観光地で、郷愁を誘うための観光目的に走っているだけである。
トロリーバスが都市部で多くの路線を持っていた時代がある。トロリーバスは無軌道電車ともいわれ、道路の上空に二本の架空線を引いて、電動機によって走行するものである。路面電車のように軌道がない分、走行に融通性があり、しかも、大気を汚染させることもない。路面電車に比べて建設費も安くついたことから、多くの都市で運行していた。しかし、道路が渋滞するとたちまち立往生してしまうなどの欠点もあり、路面電車よりも早い時期に姿を消してしまった。
また、一般の乗合バスも、大都市では地下鉄に乗客を奪われ、地方では自家用車が交通の足として定着する至って、バス業界はますます苦境に立たされた。長距離輸送は鉄道が担い、バスは大都市においては地下鉄などの走っていない路線、それに地方都市の市内交通を受け持つという図式がいつの間にか出来上がっていた。
だが今や高速道路時代だ。それまで鉄道が独占していた長距離旅客輸送の分野に、高速バスが参入したのである。しかも、新幹線の走っていない路線では、長距離バスの営業成績は好調なのだ。乗合バスは、低床化を図って乗客へのサービスに努めているが、旅客用バスは逆に高床化することによって眺めをよくし、より快適さを目指して鉄道に対抗している。最近ではイギリス生まれの二階建バスが、日本の観光バス業界で普及しつつあり、バスと鉄道との争いはますます白熱化しつつある。

【出典】 日本実業出版社(著:浅井 建爾)
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  • 【辞書・辞典名】道と路がわかる事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】浅井 建爾
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】255
  • 【発売日】2001年11月
  • 【ISBN】978-4534033154










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