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 計画的道路網【けいかくてきどうろもう】


日本最初の計画的道路網は直線道路だった?



道の始まりは、人々の生活の営みとともに自然発生的に生まれてきたものだった。人々は、通行の障害になるもの、たとえば山や谷などを避けて、歩きやすいところを通ったため、曲がりくねった細々とした道だったと思われる。だが、やがて権力者が現れ、人々を支配するようになると、道も計画的につくられるようになった。政治的、軍事的にも、権力者が支配権を拡大し、より強固なものにするために、交通、通信の手段として重要な役割を果たす道路は、必要不可欠なものだったのである。
日本最初の計画的道路網として知られているのが七道駅路だ。七道駅路は古代律令国家によって建設された道路網のことで、畿内を基点にして諸国を結んでいた。駅路とは宿駅の設備がある道路のことをいう。駅路には三〇里(約一六km)ごとに駅が置かれ、交通機関としての駅馬も用意されていた。また、古代律令国家とは、大化改新(六四五年)を経て、七〇一年に制定された大宝律令を基本法典として形成された古代国家のことで、奈良時代に全盛期を迎え、平安初期まで続いた。
畿内は五畿ともいい、大和(奈良県)、山城(京都府中南部)、摂津(大阪府北部および兵庫県南東部)、河内(大阪府南東部)、和泉(大阪府南西部)の五か国、今でいう首都圏だった地域である。七道は東海道(茨城、千葉、埼玉、東京、神奈川、山梨、静岡、愛知、三重)、東山道(東北六県および栃木、群馬、長野、岐阜、滋賀)、北陸道(新潟、富山、石川、福井)、山陽道(兵庫県南部および岡山、広島、山口)、山陰道(京都と兵庫の北部および鳥取、島根)、南海道(四国四県および三重県熊野地方、和歌山、淡路島)、西海道(九州七県)の七道をいう。
七道は畿内から放射状に各国府を結ぶ駅路の名称であるとともに、地理的な行政区分でもあった。駅路の全長は約六五〇〇km、現代の高速道路とほぼ同じ距離である。
七道駅路の最大の特徴は、江戸時代の街道のように、集落と集落を結ぶ曲がりくねった道ではなく、点と点を最短距離で結ぶ直線道路を原則に建設されたということである。そのため、集落から遠く離れたところを通り、人々の生活にはあまり役立たなかった道路が多かったという。律令国家が崩壊後、これらの直線道路が衰退したのも、集落から離れたところを通っていたからだといわれている。
最近になって、七道駅路の痕跡だと思われる幅一二mの道路が全国各地で発掘されている。当時の律令国家がいかに強大な権力を持っていたか、この七道によって朝廷の支配が全国にまでおよんでいたことを知る貴重な遺構だとして注目されている。

【出典】 日本実業出版社(著:浅井 建爾)
道と路がわかる事典

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  • 【辞書・辞典名】道と路がわかる事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】浅井 建爾
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】255
  • 【発売日】2001年11月
  • 【ISBN】978-4534033154










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