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 水時計・砂時計・機械時計【みずどけい・すなどけい・きかいどけい】



◆宮中で使われた漏刻は中国伝来の水時計
 『日本書紀』には天智天皇一〇年(六七一年)の「夏四月丁卯朔辛卯(なつうづきのひのとのうのついたちかのとのうのひ)」に、「始めて漏刻を用う」と記されている。漏刻というのは中国で考案された水時計のことである。夏四月丁卯朔辛卯とは四月二五日のことで、現行のグレゴリオ暦に換算すると六月一〇日に相当する。そこで、大正九年(一九二〇年)、この日を「時の記念日」とすることが定められた。この漏刻の構造を記す史料は残されていないが、階段状に複数の水溜めを置き、上から順次、水を流して時間を計測したものと推定されている。
 水時計はバビロニアやエジプトでも三〇〇〇年以上も昔から使われていた。西暦前二世紀頃のアレクサンドリアでは、水流を利用して針が時刻を示すように工夫した水時計が製作されたと伝えられる。また、一五世紀の李氏朝鮮では自動的に時報を知らせる、自撃漏と呼ばれる水時計が、公的な標準時計として使われていた。その仕掛けは中国とアラビアの水時計の影響がみられるというが、史上最も精巧な水時計である。水のかわりに砂を用いたものが砂時計である。おそらく水が貴重な砂漠地帯で考案されたものだろう。砂時計短時間の測定には便利なので、現在でもキッチンで料理時間をはかったりするのに使われる。
振り子時計のアイデアはガリレイ、製作はホイヘンス
 歯車を用いた初期の機械時計は、一一~一二世紀頃からヨーロッパで使われ始めた。重りをつけたロープを歯車の軸に巻きつけ、重力による重りの垂下で歯車を回転させるしくみである。しかし、これでは歯車は規則的な回転を保てないので、のちに脱進機と呼ばれる装置が考案された。歯車の歯をガンギ車の突起によって制動しながら、歯車の連続的な回転を間欠的な回転に変える装置である。この機械時計は教会などで定時の鐘を鳴らす塔時計などに利用された。ただ、当初は針や文字盤もなく、時計というよりも自動鐘つき装置のようなものであった。
 毎時、鐘を鳴らす公共時計は一四世紀後半からヨーロッパに登場した。日の出日の入りを昼夜の指標としていたヨーロッパ人の生活は、この頃から次第に時計の時刻に支配されるようになったという。一六世紀末にはガリレイが振り子の等時性を発見し、一七世紀にホイヘンスは初の振り子時計を製作した。その後、テンプ(振り子がわりの回転盤)やひげゼンマイなども考案され、一七~一八世紀には高精度の柱時計や置時計、懐中時計も製作されるようになった。

【出典】 日本実業出版社(著:吉岡 安之)
暦の雑学事典

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  • 【辞書・辞典名】暦の雑学事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】吉岡 安之
  • 【書籍版の価格】1,404
  • 【収録語数】198
  • 【発売日】1999年12月
  • 【ISBN】978-4534030214










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