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 暦①【こよみ】


暦のポイントは節目にあり



◆暦のうえの「西暦〇年問題」とは?
 人間が他の生物と違うところは、繰り返される歳月を何らかの時間単位によってとらえようとしたところである。そこでまず年月日の最小単位である日をもって、一か月の長さが数えられ、月の満ち欠けの回数でおよその一年の長さが計測された。こうして、季節推移を目安とする原始的自然暦・生活暦にかわって、暦法(暦をなりたたせる法則)をもつ暦が誕生した。
 暦が誕生すると過去の歴史を記述するために暦の起点が必要になり、ある年を紀元とする紀年法が生まれる。現在、世界のほぼ標準的な暦として使われているグレゴリオ暦は、ローマユリウス暦に改良を加えた精巧な太陽暦である。西暦と呼ばれるのは西洋の暦という意味だが、英語ではChristian eraというようにイエスの誕生年を紀元元年としている。だが、西暦紀元はイエスが昇天してから五〇〇年以上ものちに提案されたもので、このときイエスの誕生年は正確にさかのぼれなくなっていた。今日、実際のイエスの誕生年は西暦前四年頃と計算されている。
 西暦一世紀は西暦一年から始まる。だから、二〇〇〇年は二〇世紀最後の年であり、二一世紀は二〇〇一年一月一日から始まる。では、西暦〇年は西暦前一世紀になるはずだが、西暦〇年は存在しない。西暦一世紀の前は西暦前一世紀となり、これは西暦前一〇〇年一月一日に始まり西暦前一年一二月三一日で終わるからだ(西暦〇世紀というものもない)。
 紀元元年は数直線の原点(0)とは違うのである。改暦においても似たような問題が起こる。紀年法のみならず暦は節目が要注意なのである。
◆二〇〇〇年問題に類した混乱はこれからも起こりうる
 西暦二〇〇〇年問題(Y2K)がなぜ世界的な大問題にまで発展したかというと、初期のコンピュータにおいてはプログラムのメモリ(記憶装置)の容量が小さかったため年数が下二桁で表示され、それが慣習となってしまったからだ。一九六〇~七〇年代のプログラマーにとって、二〇〇〇年は遠い先のことのように思われていたのである。ケアレスミスというよりも、暦の節目をないがしろにしたことのツケが回ってきたことによる。
 西暦年数の二桁表記は新聞・雑誌などの印刷物でも慣習化している。たとえば一九八〇~一九九〇年を八〇~九〇年というように表記するのも、限られた紙面・誌面を有効活用するためだろう。ところで、二〇〇〇年代初頭の年数表記はどうなるのだろうか。二〇〇〇年は〇〇年とは表記されないだろうが、二〇〇一年、二〇〇二年が〇一年、〇二年では何となく落ち着かない。こうした問題は二一〇〇年にも繰り返されるだろう。
 時間は流れるだけで決してとどまらない。その流れに節目を設けることで、人類は暦や時刻制度を手に入れた。そのかわりさまざまな時間の節目問題に惑わされることにもなるである。

【出典】 日本実業出版社(著:吉岡 安之)
暦の雑学事典

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  • 【辞書・辞典名】暦の雑学事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】吉岡 安之
  • 【書籍版の価格】1,404
  • 【収録語数】198
  • 【発売日】1999年12月
  • 【ISBN】978-4534030214










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