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 病理物質を見きわめる



 症状の虚証・実証の判断がついても、すぐに治療に入るというわけにはいきません。実証なら旺盛になっている邪気の種類がどういうものなのか、虚証なら不足している正気の種類がどういうものなのかを特定しなければならないのです。
 病気を起こしている物質を見きわめる(病理物質の分析)ということで、つぎに行う診察2での弁証名は「気血津液弁証」といいます。


●診察2
<今回の腰痛の特性>
E 昨晩は何度か痛みで目が覚めた。太腿の外側にしびれ感があって、知覚も少し鈍い。
<ふだんの腰痛の特性>
F 鈍痛のほかに足腰が重く、雨が降る前にとくにその感じが強くなる。
<腰痛以外の症状>
G 太りだしてから汗をかきやすく、息切れもするようになった。食欲は旺盛だがなるべく食べないように注意している。しかし、好きなビールが減らないのでなかなか痩せられない。尿は正常だが便は軟便気味で、ビールを多く飲むと下痢しやすい。下肢はむくみやすい。舌質は淡く胖大で歯痕がある。舌苔は*白膩。*脈緊。

●診察2からの判断
 もう一度患者にくわしく話を聞き、合わせて舌の状態を観察したり脈もとります。舌の状態を観察するのは四診では「望診」、脈をとるのは患部に触れたりするのと同じ「切診」です。

(今回の腰痛) 予診や診察1から「実寒証」と判断されますから、寒邪は確認できています。加えてEで下肢にしびれ感があるというのは湿邪の特性、さらに夜間に痛むのは血の特性の表れと考えていいでしょう。
 以上から今回の腰痛には寒湿の邪が襲来して、血が形成されていると判断できます。
(ふだんの腰痛) ふだんから足腰が重く雨でそれが強くなるのは、湿が停滞している兆候を示します。これは虚証なので、体中の水液を代謝する作用がある脾気が不足(脾気虚)している状態と、それによって起こる水湿の停滞だと予想されます。
(腰痛以外の症状) 汗かき、息切れ、舌の質から判断して、ふだんの体質に「気の不足(気虚)」があると思われます。肥満や軟便、下肢のむくみなどは、脾の水液運搬機能の低下によって起こる湿の停滞を指します。また、脈と舌苔の状態は今回急激に襲来した寒湿の邪を示しています。

【出典】 日本実業出版社(著:関口善太)
東洋医学のしくみ

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  • 【辞書・辞典名】東洋医学のしくみ事典[link]
  • 【出版社】日本実業出版社
  • 【編集委員】関口善太
  • 【書籍版の価格】1,620
  • 【収録語数】115
  • 【発売日】2003年7月
  • 【ISBN】978-4534036179










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