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 クリニカルパスを用いた肝切除とSSIサーベイランス【くりにかるぱすをもちいたかんせつじょとえすえすあいさーべいらんす】





――安全で質の高い医療を求める社会的要求に応えるために――

概説
 医療に従事する者は、安全で質の高い医療を求める社会的要求に応えることが求められています。NTT東日本関東病院では1997年8月からクリニカルパスを運用し、さらに2000年12月の電子カルテ導入に伴い、電子カルテ版クリニカルパスを運用して、安全で質の高い医療の提供に努めているところです。また1998年11月からは、手術部位感染(Surgical Site Infection、SSI:いわゆる創感染)サーベイランスを継続的に行って、感染対策を評価し、SSIの減少にも努めています。

クリニカルパスを用いた肝切除
 肝切除の場合、肝障害の高度な症例では、症例ごとにまた日ごとに輸液メニューを変える必要があるなど、治療の画一化が困難ですが、一方、肝機能の比較的良好な症例では、術前術後管理、術後経過は肝切除の術式にはほとんど左右されず、ほぼ同様です。したがって肝機能の比較的良好な症例との条件をつければ、肝切除のクリニカルパスの運用が可能で、術前術後管理を標準化、効率化することができます。
 医療を取り巻く環境は常に変化しますので、クリニカルパスは適宜改定を加えていくのが本来の姿です。クリニカルパスを運用し、バリアンス分析を行うと、そのパスに関する問題点が明らかとなります。それらの整理された形でのエビデンスに基づいてパスに改定を加えると、クリニカルパスは自律的に進化していくことになるのです。

SSIサーベイランス
 手術部位感染は入院期間の延長と入院費用の増大をきたし、患者の手術治療に対する満足度を著しく損なうことになります。SSIの発生頻度や原因を調査し、有効な対策を立てるためには、SSIサーベイランスを継続的に行っていくことが必須です。
 NTT東日本関東病院はSSIサーベイランス研究会の事務局として、日本病院感染サーベイランス(JNIS)システムによるSSIサーベイランスの普及に努めており、研究会参加施設のデータの集計を行っています。研究会参加施設はそれぞれの事情に応じて、サーベイランス対象手術手技を選択し、術後30日以内に感染徴候を認め、判定基準に合致した場合をSSIと判定しています。1998年11月から2004年12月までの間に、50施設3万1,500例のデータが集計され、全体でのSSI発生率は7.5%でした。手術手技別に見ると、SSI発生率が高かったのは主として消化器系手術であり、食道手術18.1%、胃手術10.3%、結腸手術16.8%、直腸手術 19.6%、肝胆道膵手術16.3%、虫垂切除11.1%などです。胆嚢摘出術は2.4%で、消化器系手術中例外的に低い値でした(図1:手術手技別SSI発生率)。
 当院外科では開腹手術を対象としてSSIサーベイランスを行っており、当科におけるSSI発生率の推移は図2:NTT関東病院でのSSI発生率の推移のようになっています。SSIサーベイランスを行っても画期的にSSI発生率を低下させることはできませんが、徐々にSSI発生率は低下の傾向にあると評価しております。

まとめ
 クリニカルパスを導入すると質の高いレベルでの医療の標準化と効率化が図られ、入院期間が短縮し、医療コストが削減されることが明らかとなっています。21世紀の医療では病院の経営効率化が求められており、クリニカルパスの導入されていない病院は存続が危ぶまれる時代になると予測されています。一方、SSIサーベイランスの実施は外科医および医療スタッフのSSIに対する意識を高め、SSIの発生率低下に寄与することが知られています。2002年7月からは厚生労働省の事業としてSSIサーベイランスが行われており、質の高いSSIサーベイランスの普及が課題となります。 (針原康小西敏郎

【出典】 日本医療企画(著:寺下 謙三)
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  • 【辞書・辞典名】標準治療[link]
  • 【出版社】日本医療企画
  • 【編集委員】寺下 謙三
  • 【書籍版の価格】5,142
  • 【収録語数】1,787
  • 【発売日】2006年7月
  • 【ISBN】978-4890417162










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