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 人工腎臓


さまざまな理由で臓器を病(や)む人が増えている。そんな中、大きな希望となるのが人工臓器だ。ここでは「人工腎臓」を取り上げてみよう。



透析(とうせき)とは腎臓の機能を人工的に行なう治療で、その患者数は年々増えているという。

文明病とも呼ばれる糖尿病患者が増加しているからだ。

糖尿病は腎臓を傷める病気で、運動不足や食べ過ぎ、飲み過ぎも大きな原因という。

腎臓は、血液中の老廃物や余分な水分を取り除いたり、さまざまなイオンの濃度を調整したりする重要な臓器である。

これが働かなければ当然、人は生きていけない。

腎臓の働きが悪くなってしまったら、その機能を補うために人工的に血液をろ過し、体内に再循環(さいじゅんかん)させる治療法がとられる。

この治療に使われるのが血液透析器、いわゆる人工腎臓だ。

血液透析と腹膜(ふくまく)透析の2方式があるが、ここでは前者を見てみよう。

血液透析の場合、主要装置はダイアライザー、血液ポンプ、そしてコンソールである。

ダイアライザーは特殊な膜を利用して血液と透析液とを交換するもっとも重要な働きをする装置。

血液と透析液の交換によって、血液から不要な水分や老廃物を取り除いたり、イオン濃度を調整したりする。

血液ポンプは患者の血液をダイアライザーに適切な圧力で送る装置である。

コンソールは透析システムの司令塔で、血液ポンプの圧力や、ダイアライザーに送る透析液の調整などを行なう。

ここで、ダイアライザーを詳しく見てみよう。

代表的なホローファイバー型は長さ30センチほどの筒状で、中にホローファイバー(または中空糸(ちゅうくうし))と呼ばれる極細の糸が1万本近く入っている。

マカロニのように中心部が空洞になっていて、空洞内を血液が、糸の外側を透析液が流れるようになっている。

ホローファイバーは半透膜と呼ばれるミクロの穴が無数に空いた膜でできている。

小さい水や老廃物はその穴を通るが、大きな赤血球などは通さない。

この膜を介して、血液をきれいにできるわけだ。

このような複雑な膜をまとった糸を作るには高い繊維技術を要する。

日本の繊維産業の技術が活かされている分野である。



【出典】 中経出版
雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2

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『雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2』の紹介



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著者
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 中経出版「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」


  • 【著者・監修】涌井良幸・涌井貞美[link]
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