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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
┗「冬至」まで3日
・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
ヨット
大海原を航海するヨットの雄姿はロマンをかき立てる。
風に大きな帆(ほ)をふくらませて走るその姿に、古来(こらい)多くの人が虜(とりこ)になった。
そんなヨットは、ディンギーとクルーザーに大別される。
ディンギーはキャビン(船室)のない小型のヨットで、1~2人で操るのが一般的。
近海でマリンレジャーを楽しむのに向いている。
一方、クルーザーにはキャビンがあり、寝泊まりできる設備が付いていて、遠洋で航海を楽しむのに向いている。
ところで、ヨットは、風が吹いてさえいれば目的地に船を進められる。
逆風に向かってでも進めるのだ。
考えてみると不思議である。
その原理を調べるために、まず帆が風から受ける力を見てみよう。
帆が風から受ける力を簡単に理解するには、風が空気の分子の集まりと考え、その分子をテニスボールに見立てるといい。
どのように風が帆にぶつかっても、帆が風から受ける力は帆の面に垂直になることが見て取れる。
このことを念頭に置けば、風に対してどのような角度に帆を張ればいいか理解できる。
追い風(つまり順風)のときには、舳先(へさき)を目的方向に向け、帆を風向きに直角に張ればよい。
横風のときにも、舳先を目的方向に向けるが、帆は後ろに回して風向きの斜め45度の角度にする。
こうすれば、舳先の方向の力が得られるからだ。
問題は向かい風(逆風)の場合である。
このときは、舳先を目的方向の斜め前に向け、帆を後ろに回し、舳先の方向の力が得られるようにする。
しかし、そのままでは目的地から斜めに遠ざかってしまうので、例えばタッキングという技法でジグザグ走法し、目的地に向かうようにするのだ。
実際の風は複雑であり、以上のような単純なものではない。
そこがヨットのおもしろいところでもある。
自分の操縦(そうじゅう)するヨットの特性と風の性質を上手に利用することで、ヨットはすばらしい水上の〝芸術品〟になるのだ。
飛行機の時代にあってもなお、水上を帆走(はんそう)するヨットには胸躍るものがある。ヨットはなぜ逆風の中でも進めるのだろうか。
【出典】![]() |
中経出版
「 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2 」 |
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『雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2』の紹介
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