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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
┗「冬至」まで3日
・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
- ビル風【びるかぜ】
- マンションが隣立しているあたりで、「今日は風が強いし寒いな」と厚着をして出かけてみると、いざ目的地に行ったとたん、風もないし日当たりもよくてぽかぽかしていたという経験はないだろうか。ビルがなければほとんど強い風がないのに、ビルの周りにだけ風が吹く。これが「ビル風」である。ビル風は、もともと吹いてきた風が、高層ビルに遮られて行き場を失うことで起きる。このとき、風は上下左右に分かれて吹くのだが、その風はおもに、①ビルを乗り越えて吹く風、②ビルの脇を回って吹く風、③ビルに反射して戻ってくる風の三種類となって拡大していく。通常はそのビルの二倍程度の高さまで風の範囲は乱れて、その分、そこから吹き降りてくるので強さを増してしまう。ビルの脇を回って吹く風は、ビルとビルの間の谷間的な通り道を吹き抜けるため、マンションの風通りなどと一緒で、幅が狭まると一気に風速は増して強い風になってしまう。また、ビルが隣立するようなところでは、壁面との摩擦もあり、空気の渦を発生させることが多いので、予測が不可能な強い風となることもある。一方向からではなく、前方から吹いてきた風が、ぐるっと巻くようになったり、またその後で、すぐ後からも風が来たりする場合は、とくにビル風である可能性が高いのである。マンション建設の際に、日照権には厳しく規定が決められており、ビルの建設で日照が悪くなる場合などは保証もされることもあるのだが、風は結構迷惑なのにそこまで厳しく規定されてはいない。実際には、かなり生活に支障をきたす場合もある。そのため、最近ではビルの構造もビル風が起きにくい下が膨れている形を採用したり、道路に植え込みをつくることで多少解消しようとしたりする動きが見られている。
四方八方から吹いてくる「ビル風」の正体
【出典】 |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全2 」 |
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雑学大全2について | ||
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この言葉が収録されている辞典 |
雑学大全2
- 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487801305