-
今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
・12月(師走/December)
・19日
・木(Thursday)
・二十四節気
┣「大雪」から12日
┗「冬至」まで3日
・先負
・十支:庚(かのえ)
・十二支:寅(とら)
月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
地球岬【ちきゅうみさき】
- 北海道室むろ蘭らん市にある「地球岬」は、高さ一〇〇メートル前後の太平洋を見下ろす断崖絶壁が約一三キロも続く。対岸の渡島半島の駒ケ岳や恵山岬を望み、さらに遠く、下北半島をも見ることができる。一九八六(昭和六一)年一二月には展望台が設置され、北海道の代表的景勝地としての地位を確立した。朝日新聞社主催の「北海道の自然一〇〇選」に選ばれたばかりか、人気投票では堂々の第一位となったほどだ。また、渡り鳥のルート上でもあり、アマツバメ、ハクセキレイなどの渡り鳥や、ウミウ、オオセグロカモメ、そしてそれらの上に君臨するハヤブサなど、地球岬では様々な鳥たちの生態を見ることができる。さらに、夏の海ではイルカの群れを見ることもできるようだ。このように壮大な自然を間近に眺められ、鳥やイルカなどの動物の生態までも見られるとあって、「地球岬」といったスケールの大きな名で呼ばれているのも納得である。ところが、「地球岬」という名の由来は、景観の雄大さからきているわけではないのだ。「地球岬」の「チキュウ」の語源は、アイヌ語で断崖をあらわす「チケプ」で、それが「チケウエ」「チキウ」となまったものなのだ。それに地球という漢字を当てはめたものだから、今では「チキュウ」岬となってしまった。もっとも、国土地理院が発行している地形図ではチキウ岬(地球岬)と表記されており、アイヌ語からきた地名であることが想像できる。北海道の地名には、このようにアイヌ語の音を漢字で表記した地名が多い。しかも、漢字本来の意味ではなく、音訓を取り出して置き換えているうえ、無理矢理当てはめた例も多いものだから、本来のアイヌ語の意味は失われ、漢字を読むのも難しいという地名がたくさん生まれてしまった。「地球岬」に立ってはるかな水平線を眺めながら、アイヌの地名や文化に思いを走らせるのも、景観に負けない壮大なものではなかろうか。
「地球」とは全然関係がなかった!
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全2 」 |
A D |
雑学大全2について | ||
|
この言葉が収録されている辞典 |
雑学大全2

- 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487801305