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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
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・19日
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シャープ【しゃーぷ】
- ユニークなCMでおなじみのシャープ。昨今は液晶技術の高さが有名だが、会社名の由来は文房具にある。実は「シャープペンシル」こそ、シャープ初のヒット商品で、そこから会社名も「シャープ」となったのである。現在のシャープペンシル生みの親は、シャープの創設者である早川徳次氏。早川氏は、もともとは腕のいい金属細工職人だった。その早川氏が目をつけたのが、明治時代に輸入されたアメリカ製の繰り出し鉛筆。鉛筆の芯が次々に出てくる、ほぼシャープペンシルと同じ構造だったが、セルロイド製の簡易なつくりで、すぐに壊れるし、芯も太くて不恰好で、とても実用できるものではなかった。しかし早川氏は、これは絶対に実用化できると確信し、自慢の金属加工技術を生かして、内部に真鍮の部品を使った壊れにくいシャープペンシル(特許名は「早川式繰出鉛筆」)を生み出した。そして一九一五(大正四)年、早川氏の腕により見事に生まれ変わったシャープペンシル(当初は「プロペリングペンシル」、後に「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」と改名)が発売されたが、当初は、まったく売れなかった。金属製の文房具は冷たい感じがすると、日本人の感性に受け入れられなかったのだ。しかし、このシャープペンシルの素晴らしさに横浜の貿易会社が目をつけ、欧米で販売したところ、瞬く間にヒット商品となった。そして、そこから話題を呼び、日本にも広まった。その後、シャープペンの芯をもっと細くする改良が加えられ、さらにスマートになったシャープペンシルが売り出され、大ヒット商品となっていった。ところが、一九二三(大正一二)年の関東大震災により、工場が焼失し、早川氏の家族も犠牲となった。そのため早川氏は特許を売り、東京での再興をあきらめ、心機一転、大阪へ移住し、シャープの前身である早川金属工業研究所を創設した。これが、シャープの本拠地が大阪になった所以である。ちなみに、英語で「シャープペンシル」といっても通じないのは当然である。英語では「メカニカルペンシル」である。
いまは「液晶のシャープ」、はじまりは「シャープペンシルのシャープ」
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全2 」 |
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雑学大全2

- 【辞書・辞典名】雑学大全2[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487801305