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シーラカンス【東京雑学研究会編】
- シーラカンスといえば「生きている化石」の代名詞。古代デボン紀初期(約四億年前)に誕生して以来、ほとんど姿を変えることなく現代にも生き続けている不思議な生物だ。
一九三八年、マダガスカル諸島近海で誰も見たことのない不思議な魚がトロール船の網にかかった。専門家が調べてみたところ、七〇〇〇万年前に絶滅したと思われていたシーラカンスだった。
誕生した頃のシーラカンスは肺を持っていて、湖などの淡水に棲んでいた。中生代(二億五〇〇〇万年前から六五〇〇〇万年前まで)になるとだんだん海に棲むようになり、それまで大きなもので三〇センチくらいだった体長も一メートルくらいに大きくなり、肺は呼吸器としての機能を失って浮き袋に変化していった。
この身体の特徴は一九三八年に見つかった生きたシーラカンスと全くと言っていいほど同じ。中生代以降、数億年、体型や体質をほとんど変化させずに生き延びてきたのだから、まさに「生きた化石」と呼ぶのにふさわしい。
シーラカンスは昼間は六〇〇メートル近い深海でじっとしていて、夜になると浮上してきて魚を捕まえて食べている。肺が変化した浮き袋の中にはドロリとした黄色い油が詰まっていて、深海から海面近くに浮上してエサを捕るのにとても適したしくみになっている。
昔のシーラカンスの化石を見てみると強い顎や重なりあったウロコがあって、これはごく最近の魚類とほとんど変わりがない。
こういった進化を先取りしたかのような、合理的な身体のしくみが、氷河期や原因不明の恐竜類の絶滅といったピンチからシーラカンスを救ってきたのだろう。
稚魚の化石も見つかっているため、以前は胎生と考えられていたが、捕獲されたシーラカンスから胎児が発見され卵胎生であることがわかった。つまり、稚魚は三〇センチくらいになるまで母親の体内で育てられてから生まれてくるのだ。
一九八七年、水中のシーラカンスの姿がビデオで公開されたが、シーラカンスは水中で逆立ちをして過ごしていた。これは頭が大きく重たいので、頭を下にした方が楽なためだ。とはいっても、シーラカンスの脳は小さくて、体長一七〇センチメートル以上、体重八〇キログラム近いものでも、脳は五グラムくらいしかないという。
§シーラカンスが絶滅しなかったのはなぜ?
【出典】![]() |
東京書籍(著:東京雑学研究会) 「 雑学大全 」 |
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雑学大全

- 【辞書・辞典名】雑学大全[link]
- 【出版社】東京書籍
- 【編集委員】東京雑学研究会
- 【書籍版の価格】2,160
- 【収録語数】1,000
- 【発売日】2004年8月
- 【ISBN】978-4487799473