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横断歩道橋【おうだんほどうきょう】
- 車の走っていなかった時代には、恐らく道路を跨いで歩行者専用の橋を架けるという発想はなかったに違いない。横断歩道橋が誕生したのは、車が普及するにつれて道路を横断する歩行者が、車に跳ねられる事故が頻繁に発生するようになってからのことである。従って、横断歩道の歴史はまだ新しい。
日本で最初の横断歩道は昭和三四年、愛知県の西枇杷島町という小さな町で誕生した(鉄道跨線橋は除く)。まだモータリゼーションの到来する前に、なぜこんな小さな町で?と思うかもしれないが、西枇杷島町は名古屋市に隣接し、当時は全国でも有数の交通量があった国道二二号(現在の県道名古屋祖父江線)が町の真ん中を貫いていたのである。そのため、交通事故が毎日のように発生し、通学途中の学童が被害に遭うことも少なくなかった。そこで横断歩道橋が建設されることになったのである。何といっても全国初の横断歩道橋とあって、完成時には町長をはじめ、全町民をあげての渡り初め式(学童専用陸橋竣功式)も行われた。
横断歩道橋ごときで渡り初め式とは何と大袈裟な、と笑うかもしれないが、当時としては大事業だったのである。鉄筋コンクリート造りの横断歩道橋は今も健在だ。
横断歩道橋は全国で一万一〇六〇か所。人口の密集地に多いであろうことは容易に想像がつく。一位は東京都で一一〇五か所の横断歩道橋がある。二位は愛知県(一〇三三か所)、三位神奈川県(八三四か所)、四位大阪府(七七五か所)、五位埼玉県(七〇三か所)。三大都市圏が上位を占めている。
最近は地下横断歩道も増えつつあり、全国で二九八一か所ある。だが、地下横断歩道は必ずしも人口密集地に多いとは限らない。一位は岐阜県で二八七か所、以下、愛知県(二〇三か所)、静岡県(一八一か所)、長野県(一七〇か所)、富山県(一六一か所)と、なぜか上位は中部地方の県が独占している。一方、横浜と福岡は三か所、名古屋一一か所、大阪一八か所というように、大都市の少なさが目立つ。
横断歩道橋は交通事故の防止に大きく貢献してきた。しかし、身体の不自由な人や高齢者には決して有難い道路施設とはいえない。ましてや車椅子の人にとっては、通行を拒否されているようなものである。バリアフリーが叫ばれている折でもあり、横断歩道橋のバリアフリー化は長年の夢であった。
全国初のエレベーター付きの横断歩道橋は川崎市で誕生した。国道一五号(第一京浜)と市役所通りの交差点に、平成五年三月、エレベーター四基を備えた横断歩道橋「ハローブリッジ」が建設されたのである。横長五八mと五五mの歩道が中央で交差するスクランブル方式で、幅員七mとスケールも大きい。高齢化社会を迎え、大都市を中心にエレベーター付歩道橋が普及しつつある。
車椅子が渡れるエレベーターつき歩道橋
【出典】![]() |
日本実業出版社(著:浅井 建爾) 「 道と路がわかる事典 」 |
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道と路がわかる事典

- 【辞書・辞典名】道と路がわかる事典[link]
- 【出版社】日本実業出版社
- 【編集委員】浅井 建爾
- 【書籍版の価格】1,620
- 【収録語数】255
- 【発売日】2001年11月
- 【ISBN】978-4534033154