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今日のこよみ ・2019年(平成31年/猪)
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・19日
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月名(旧歴日):下弦の月/下つ弓張(しもつゆみはり)
木橋①【きばし】
- 今でこそ木橋を見かけることはあまりないが、かつてはほとんどが木橋だった。山間部ではつるで造った吊橋もあったが、江戸時代までは木橋しかなかったといってよい。だが、木橋は強度的にも劣り、寿命も短い。川が氾濫すればたちまち流される運命にあった。
やがてわが国に車が走るようになると、木橋は次々に姿を消し、鋼橋や鉄筋コンクリート橋に生まれ変わった。ところが、現在でも立派に機能している木橋がある。江戸時代、東海道最大の難所として知られた大井川。その大井川に、明治一二年に架橋された蓬莱橋である。通行料は五〇円とある。
江戸時代、大井川には江戸防衛の目的から、架橋も渡船も許されなかった。川を渡るには、川越人足を頼むしかなかった。水位によって値段も異なる。ちなみに、腰までの水位では、川越人足の肩車で渡るのに六八文(現在の約一〇〇〇円)とられたというから、それに比べると五〇円は安い。
ところが、現在では地元の人で蓬莱橋を渡る人はほとんどいない。というのも、すぐ川下に鉄筋コンクリート製の新しい橋ができたからだ。それまで通学路として利用していた高校生も、農家の人たちも、新しい橋を利用するようになってしまったのである。
だが、地元の人たちに代わって、観光客がやって来るようになった。というのは、全長八九七・四mというこの木橋、平成九年に「世界最長の木造歩道橋」として、ギネス入りを果たしたからだ。橋脚は安全面を考えて鉄筋コンクリート製になっているが、渡し板はすべて木製だ。歩くたびに発するギシギシときしむ音が、何とも懐かしいという人もいる。「八九七・四mの長い木橋」にかけて「厄なしの長生き橋」というんだそうだ。
世界最長の木橋が日本にある?
【出典】![]() |
日本実業出版社(著:浅井 建爾) 「 道と路がわかる事典 」 |
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道と路がわかる事典

- 【辞書・辞典名】道と路がわかる事典[link]
- 【出版社】日本実業出版社
- 【編集委員】浅井 建爾
- 【書籍版の価格】1,620
- 【収録語数】255
- 【発売日】2001年11月
- 【ISBN】978-4534033154